スイスで実現する「地下自動モジュラー物流網」は日本でも可能なのか?【清水草一の道路ニュース】

■高速道路の次のネットワークとして議論すべき!

 高速道路の地下にトンネルを掘るのも簡単ではない。高架部の地下には基礎杭が打ち込まれていて、橋梁の場合は深さ40mに達する個所もある。トンネルはそれより深い位置に掘らねばならない。

地下に自動物流トンネルを設置する場合、橋梁の基礎杭を回避する必要がある。そのため、用地買収や既存の基礎杭への影響検討などが必要となる
地下に自動物流トンネルを設置する場合、橋梁の基礎杭を回避する必要がある。そのため、用地買収や既存の基礎杭への影響検討などが必要となる

 国交省が各建設会社にアンケートを実施したところ、スイスのトンネルサイズ(幅6m)で、建設費は10kmあたり70億円から800億円。東京-大阪間なら最大で4兆円程度になる。リニア中央新幹線(トンネル直径13m)品川―名古屋間の総工費約7兆円を考えれば、出せない金額ではない。

 スイスの計画が成功するかどうか未知数だが、成功すれば、トンネル物流ネットワークが欧州全域に拡大する可能性もある。国際競争力を考えると、日本も真剣に検討する必要があるだろう。

 ただ、トンネルを掘るならば、深い基礎杭がある高速道路の地下でなくてもいいはずだ。国道の地下だっていい。あるいは全線大深度地下トンネルなら、ルートの制約はほとんどない。

 日本ではまだ夢のまた夢の段階だが、日本の高速道路網も、ようやく9割方完成した。そろそろ次世代の物流ネットワークが必要な時期に来ているかもしれない。

【画像ギャラリー】実現可能か否か、いまだ検討の余地がある自動物流道路に関する資料を見る!(6枚)画像ギャラリー

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