■明太子と海苔の絶妙なハーモニー『銀座十石』@松屋銀座
鶏肉にちくわ磯辺揚げ、きんぴら、玉子焼き。一見シンプルなおかずで構成された弁当だが、食べてうっとり。
ご飯に海苔が二段状に敷き詰められ、上段の海苔の下には明太子とカツオ節が半分ずつ潜み、どこまでも味わい深い。新潟県産の米“新之助”も旨く、海苔と明太子がいい塩梅で馴染む、馴染む!店頭のポップに書かれた“冷めるほどにおいしい”というキャッチフレーズは伊達じゃない。
大山鶏の西京漬もしっとり風味豊か。酒を合わせたくなる、大人好みの海苔弁だ。
■深い旨みが広がる、焼豚の誘惑『尾島商店』@西武池袋本店
酒呑みにはそそられるビジュアルだ。なんてったって、横浜・野毛の老舗肉屋『尾島商店』の弁当。大正12年の創業時から変わらぬ味を守り続ける焼豚がご飯を覆い隠すようにのっていて、どこか郷愁も誘う。
国産豚を秘伝ダレに漬け込み、炭火でじっくり焼き上げているから、噛みしめるとほんのり甘く、しっとり柔らか。それだけでもアテに最高だが、さらに鶏の竜田揚げ、味玉、きんぴらごぼう、高菜油炒めとくれば、杯が進むこと請け合い。
■名古屋コーチンを味わい尽くす!『伊藤和四五郎商店』@銀座三越
鶏専門店『鶏三和』の中でも、創始者・伊藤和四五郎の名を冠したブランド。焼鳥のつくねとモモ肉、塩麹唐揚げ、厚焼き玉子、月見つくねに至るまで、使っているのは名古屋コーチンだ。
焼鳥と唐揚げを頬張れば、名古屋コーチンならではの跳ね返るような肉質とジューシーな旨みに悶絶。名古屋コーチン卵の甘めの厚焼き玉子は濃厚なコクに目尻が下がる。
いずれもご飯のおかずにもつまみにもなる優秀さで、質といい量といい、満足感がハンパない!
『おとなの週末』/2024年4月号より
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