■シャレード・デ・トマソターボが現代に復活する?
シャレード・デ・トマソターボが発売されたのは今から40年前だが、本企画担当ははっきり覚えている。ダイハツ製エンジンを積んだイノチェンティ・ミニにも憧れていたが、東京・世田谷区尾山台にあったJAXカーセールスに新車のアウトビアンキA112アバルトを見に行ったことがあった。当時新車価格が189万円と高額なため断念し、1年後に1984年式の中古を135万円で買った担当にとって、シャレード・デ・トマソターボの123万円という価格は衝撃だった。
タコ足付き直4OHV1049㏄で70ps/8.7kgm、車重710㎏のA112アバルトに対し、シャレード・デ・トマソターボは993㏄直3ターボで80ps/12.0kgm、車重は690㎏と近しいライバル車であったからである。
A112アバルトで池袋のダイハツディーラーに乗り付け、シャレード・デ・トマソターボに試乗させたもらったが、ヴォンヴォンという排気音と体感的な速さ(実際は遅い)はA112アバルトのほうが上。サソリの毒が体内に回っていた担当にとってはシャレード・デ・トマソターボは少々物足りなかった。
とはいえ、シャレード・デ・トマソターボは高速域の伸びがよく、車格が上ということもあって乗り心地や後席の居住性は快適だった。なんといってもゴールドのマグネシウム合金のカンパニョーロアルミにMOMOステというだけで心躍ったものだ。
後に限定200台のホモロゲモデルのシャレード926ターボ(76ps/11.0kgmを発生する993cc直3SOHCターボ)に試乗させてもらった時に、車重が690kgと軽いこともあって、シャレード・デ・トマソターボを含めてダイハツは偉大だと感心した。
それから30年以上経った2017年と2018年の東京オートサロンに、ダイハツは、このシャレード・デ・トマソターボの実車を展示するとともに、このシャレード・デ・トマソターボを彷彿とさせるブーン・スポルトパッケージを出展。この時ばかりは色めきたったが、50を超えたおじさんにはさすがに購入を決意するまでにはいたらなかった。
やっぱり本物が欲しいのである。ダイハツは2017年時点でシャレード・デ・トマソターボを中古車市場で探していたそうだが見つからなかったそうだ。
改めて、大手中古車情報をサイトを検索してみたが、やはり初代シャレードデ・トマソターボの在庫車はなかった。ちなみに2代目シャレード・デトマソターボも、約98万円、約79万円と2台しかなかった。もし、中古車市場に流通したら、程度を見極めたうえで、買いたいと思っている。
■ダイハツシャレード・デ・トマソターボ主要諸元
ボディサイズ:全長3600×全幅1575×全高1390mm
ホイールベース:2320mm
車両重量:690㎏
エンジン:CB50型993㏄、直3ターボ
ボア×ストローク:76.0×73.0
圧縮比:8.0
最高出力:80ps/5500rpm
最大トルク:12.0kgm/3500rpm
10モード燃費:18.8㎞/L
サスペンション:前ストラット、後5リンク式SP
タイヤ:165/65R14ピレリP8
新車当時の価格:123.0万円
■歴代シャレード デ・トマソ年表
●1981年10月/第24回東京モーターショーにシャレードをベースにした「シャレード・デ・トマソターボ」を参考出品
●1983年10月/第25回東京モーターショーでも「シャレード・デ・トマソターボ」を参考出品
●1984年1月/東京モーターショーに参考出品した「シャレード・デ・トマソターボ」(初代デ・トマソ)を発売
●1985年2月/「シャレード・デ・トマソターボ」マイナーチェンジ
●同年6月/「シャレード・デ・トマソ・ビアンカ」を限定600台で発売
●同年10月/第26回東京モーターショーに2代目シャレードをベースにミドシップに改造したプロトタイプカー「シャレード・デ・トマソ926R」を参考出品
●1986年9月/「シャレード・デ・トマソリミテッド」を限定300台で発売
●1987年10月/第27回東京モーターショーに3代目シャレードをベースにした「シャレード・デ・トマソ」を参考出品
●1993年8月/「シャレード・デ・トマソ」(2代目デ・トマソ)を発売
●1994年8月/「シャレード・デ・トマソ・ビアンカ」を限定200台で発売
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