■サイドブレーキの位置が気になる
―インテリアをチェックー
松重:ドアもそれなりの重さを感じます。
岡本:シートは真ん中がアルカンターラで、外側がレザーですね。Zといえば3連メーターですね。
松重:1つ1つのメーターの中身を教えてください。
岡本:左が電圧計、その隣がターボスピード、ブースト計です。ターボチャージャーの回転を示しているんです。珍しいですよね。ブースト計はよくみかけますけど。というのはこのクルマのエンジンは小径のターボをめいっぱい回してパワーを引き出すってことをやっていて普通のターボよりもよく回っています。
松重:ツインターボですか?
岡本:そうです。
松重:V6の3リッターエンジンが前にあって、駆動はFR。ということはここにドライブシャフトがある。ドカンとあるんですね。メーターは新しくなっているんですか?
岡本:そうですね。デジタルになっています。デジタルだけどアナログっぽい表示になっていますね。あとこれですね。手動式のサイドブレーキがあります。最近見かけなくなりました。
松重:サイドブレーキってこっち(左)側にあっていいものなんですか?
岡本:やっぱり左ハンドルに合わせているのだと思います。
松重:そうですよね。こっち(右)側にあればいいのに、こっち(左)にあるっていうことは若干オフセットが左ハンドル仕様になっている可能性がある。
岡本:左ハンドルがメインに考えられていると思います。
松重:僕が一番気になっているのはマニュアル車のフットクリアランスです。最近のクルマは、2ペダルが当たり前になっているなかでアクセル、ブレーキ、クラッチの3つのペダルを置かなければいけないんですけれども、やっぱりどうしても干渉があります。やっぱりドライブシャフトがある関係でフットレストとクラッチ、ブレーキの間隔が非常にタイトになっています。
岡本:狭いですね。松重さんのように大柄の方だと操作しにくいかもしれません。
松重:というか僕の場合、足がダンビロ、幅があるのでヒール・アンド・トゥなんて器用なことはできませんし、踏み分けがちゃんとできるかどうかというのが乗ってみないとわからないですね。内装は申し分ないです。スポーティでカッコいい。
■エンジンは405馬力の3リッターV6ツインターボ
―パワートレーンをチェックー
岡本:エンジンは3リッターV6ツインターボです。VR30DDTTという型式で、なんと最高出力は405ps、6400回転で発生します。いまどき珍しい高回転、高出力のエンジンです。
松重:回さなきゃいけないですね。
岡本:トルクは475Nmと強力で、1600~5600回転で発生しています。
松重:低速トルクが結構ありますね。
岡本:そうですね。こういうハイパワーなターボエンジンは、けっこうターボチャージャーにツインスクロールなどいろいろな技術を投入するんですが、このエンジンは今までのこなれた技術を磨き上げることで高出力とレスポンスを引き出しています。レスポンスがめちゃくちゃいいんで体感いただければと思います。
■405馬力の3L、V6ツインターボの走りは?
―ドライブインプレッションー
岡本:かねてから松重さんが乗りたいとおっしゃっていたZです。
松重:おとなしい、なんだろう、このジェントルな感じ、よくいえば。
岡本:おとなしい感じたところがこのクルマのコンセプトではないかと。開発責任者が言っていたのはGT-Rはモビルスーツ、Zはダンスパートナーであると。意外とおとなしいというのがそこに表れていると思います。
松重:エンジンの咆哮も控えめですね。
岡本:なんかスポーティで速いんだけど優しい感じもあるし。
松重:でもあんまり速さは感じないですね。やっぱり回転を上げないと本来の力を出してこないということなのかな。このくらいのスピード感だとまだまだ本領発揮までいかないという。
岡本:そうかもしれません。レスポンスよくて扱いやすいですよね。シフトフィールもいいかなと思います。
松重:特別なスポーツカーに乗っているという感じはあまりしないですね。あ~、ギアを高くするともう完全に乗用車ですね。
岡本:巡行モードという感じですね。でも踏み込んで中高速域、4000~5000回転の加速はけっこうおいしいですよ
松重:そうですね。う~ん、よくできてます。ただよく作られすぎている感じがする。なんていったらいいなのかなあ。もうちょっと荒々しさを温存してもよかったんじゃないかなあ。
岡本:そうですね。
松重:エンジンの音もちょっと抑えめですね。GT-Rのほうは走りに完全に特化しているんですか? Zは一般のモータースポーツ車っていうカテゴリーですかね?
岡本:モータースポーツまでいかない感じですかね。エブリディスポーツカーな感じですね。
松重:なるほど。割り切って乗ればいいってことですよね。ということは街乗りでどんどん使い倒すための2シーターですね。これがおもしろいと思うと一生のつきあいになりますね。
岡本:そうですね。まさにダンスパートナー!
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