■飾らないデザインでも強烈なインパクトを放つ
動力性能については軽自動車規格の範疇だが、パワーユニットは日常でのスムーズな走りを重視したハイパー12バルブエンジンと、ターボチャージャーと大型インタークーラーを備えたターボエンジエンジンをラインナップ。
いずれも常用回転域での優れたトルク特性によって、街なかでストレスを感じさせない加速性能を発揮しながら、最高で19.0km/L(10・15モード)という低燃費を達成している。また、バルブリフトタイミングの最適化や遮音、吸音を高める防音材の配置などにより、クラストップレベルの静粛性を実現し、ドライブの最中に感じる心地よさやくつろぎをもたらしてくれた。
足まわりは路面の変化にも安定して追従するリアサスペンンションの採用に加え、前後ダンパーの減衰力を最適化することで、ゆったりとした乗り心地を持ち味としていた。衝突安全性能と軽量・高剛性を実現したボディの作りや、シンプルな面構成と角を丸めたラウンドスクエアデザインがもたらす優れた空力性能の効果も、あらゆる場面で感じる機敏なスムーズさを感じさせ、走りには上質感があった。
生産期間は約5年。デビューした当時は、ラウンドスクエアデザインによる独自性がウケて、ライフと双璧をなすほどの人気だったが、基本性能の高さと定番ならではの安心感を武器とする同クラスのライバルを凌駕することはできず、その際立った個性とは裏腹に、軽自動車クラスにおける存在感が薄れていく。
コストパフォーマンスを強調した特別仕様車を導入して売上回復を狙うものの、後継車となるゼストが登場したことも影響して売れ行きは低迷。2007年9月に生産終了となり、11月には販売も終了した。
シンプルであるがゆえにごまかしがきかないという難しさを克服したものの、シンプルだからこその気軽さは、他車との比較においてチープな印象を抱かせてしまったことも、1代限りでモデル生涯を閉じた要因のひとつでもある。しかし、小さくてシンプルでも「あれだッ。」と思わず反応してしまう、他にはない存在感とインパクトを放っていたクルマだった。
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コメント
コメントの使い方この車のデザインが、今のホンダデザインのスタンダ-ドだよ。ステップワゴン、フリ-ド等々