こんなクルマよく売ったな!! 【愛すべき日本の珍車と珍技術】ホンダ[ザッツ]は気取らずにさりげなく乗れるシンプルなスモールカー

■基本性能の高さはライフ譲り

 特に居住性と実用性が高く、日常生活のパートナーとしては申し分なし。車内はドライバーが「自分のための空間」と感じられるよう、キャビンのルーフ四隅をドライバーから可能な限り遠ざけることで頭上周辺空間の「広さ感」が追求されており、乗って感じられるゆとりはライフを凌駕していた。

 数値で見てもライフに対して室内長が+25mmの1685mm、室内幅では+15mmの1225mmを達成し、1260mmの室内高も含め、室内は軽自動車クラス全体で見てもトップクラスの広さを実現していた。

 広さを確保するだけでなく、ルーフライニングとインテリアトリムを結ぶ部分に角を設けて境界を明確にしたて部屋感覚を演出。フィット感、ホールド性に優れた機能的な椅子であることを意識して作り込まれたシートを採用したことも相まって、乗り込むたびに心地よさを実感できる空間に仕上げられていた。

運転席まわりはシンプルなテーブルをイメージしたデザインで、ダッシュボードの表面はメタリック塗装のディンプル形状とすることでクールな雰囲気を表現している
運転席まわりはシンプルなテーブルをイメージしたデザインで、ダッシュボードの表面はメタリック塗装のディンプル形状とすることでクールな雰囲気を表現している

 軽自動車は日常のアシとして移動の道具に使われる傾向にあるが、ザッツは愛着を持って付き合えることを目指し、“Simple-hearted Style”(気取らないスタイル)をコンセプトに、さりげなさに徹底的にこだわることで、気取らず、飾らず、さりげない、mono感覚をカタチにした。

 エクステリアデザインで重視されたのは、長く愛用しても飽きのこないスタイルとするために極めてシンプルであること。安心して使えるために力強い雰囲気を持たせること。さらに、オーナーのこだわりをさりげなく演出する遊び心があること。

 こうした要素を具現化するために、ボディのフォルムだけでなく、ヘッドライトやリアコンビネーションランプ、ドアミラーといった細部にいたるまで「ラウンドスクエアデザイン(角を丸めた箱)」という概念を取り入れている。

 他車とは明らかに異なるイメージを強調しているのはフロントまわりで、ヘッドライトとターンシグナルランプなどを一体化して横長デザインとしたスリークヘッドライトは、ボディサイズに制約がある軽自動車ながらワイド感を演出。

 適度な厚みをもたせたフロントノーズやサイドウインドウとリアクォーターウインドウで構成される広いガラスエリアは、独自の個性を主張するだけでなく、ボンネットの先端が把握しやすかったり、良好な運転視界が確保できるなど、狭い路地でもスマートに扱える運転のしやすさに貢献している。

次ページは : ■飾らないデザインでも強烈なインパクトを放つ

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