■ブタ目(トヨタコロナマークII:1976年12月~1980年6月)
ジャガーXJを彷彿とさせる英国車風デザインの3代目コロナマークII。トヨタオート店では兄弟車、チェイサーが販売された。「堅気になろう三代目」という開発コンセプトは意味がわからない……。
3代目コロナマークIIの単眼丸形2灯ヘッドライトのシンプルなフロントマスクから「ブタ目」の愛称で呼ばれた。
現在、信じられないことだが、中古車市場でグランデが200万円で販売されている。
■サメブル(ブルーバードU 2000GTシリーズ:1973年8月~1976年2月)
大ヒットした510ブルーバードの後継車となる4代目ブルーバードU。6気筒エンジン搭載車のフロント周りのデザインが「サメ」を思い出させるところがあったことに由来する。CMキャッチコピーは「愛されていますか。奥さん。充実した家族のブルーバードU」というもので、時代に合わせて車格の大型化、上級志向となった。
発売当初はソツのないデザインだったが1973年8月のマイナーチェンジで、Ⅼ20型2L、直6エンジンを搭載するため、ホイールベースを150mm延長し、フロントオーバーハングを55mm延長したロングノーズ仕様の2000GTシリーズ(GT、GT-E、GT-X、GT-XE)を発売。
当時のポンティアックGTO(1970年式)にも似た四角の枠に丸い4灯のヘッドライトと2分割グリルのフロントマスクやエラのように見えるフェンダーのデザインが鮫を思わせることから「鮫ブル」と呼ばれた。また縦グリルとまたフロントノーズを延長したことがスカGに似ていることから「ブルG」とも言われた。
このほか余談だが、尻下がりで販売不振に陥り、マイナーチェンジで修正するという前代未聞の2代目410型ブルーバードは、アニメ「ルパン三世」の映画「カリオストロの城」で、映画『カリオストロの白』で銭形警部が2代目ブルーバードのパトカーに乗っていたことに由来し、「銭ブル」とも言われた。
現在、鮫ブルは中古車市場にほぼ出回っておらず、1台のみで1150万円。当時、不人気で生産台数も少なったことから今では逆に高値につながったということか……。
■ハマグリ(2代目日産シルビア:1975年10月~1979年3月)
1975年10月に登場した2代目シルビア(S10型)の正式名称は「ニューシルビア」。エクステリアのロゴもNEW Silvia」。ハマグリという名はリアクオーターパネルの形状から付けられた。ハマグリを後ろから見ると、確かに見えないこともないが……。
北米受けを狙った丸目2灯式のヘッドランプや太いリアクォーターピラーにファストバックのスタイリングは日本国内では受け入れられず不人気だった。
現在、2代目シルビアは残念ながら中古車市場には流通していない。
■マヨネーズ(いすゞピアッツァ:1981年6月~1991年8月)
ピアッツァは 117クーペの後継として1981年6月に登場。デザインを担当したのは、117クーペと同じくジョルジェット・ジウジアーロ。言わずと知れた工業デザイン界の巨匠である。
いすゞからの依頼を受けたジウジアーロは1979年のジュネーブショーに「アッソ・デ・フィオーリ(Asso di fiori=イタリア語でクラブのエース)」と名付けたコンセプトカーを出展。
そのアッソ・デ・フィオーリの斬新なフォルムおよびディテールを「ほぼそのまま」とも言える形で量産車化したのが、1981年6月登場の初代ピアッツァだった。
1985年11月には、ドイツのチューナーであるイルムシャーに足回りのチューニングを依頼した、イルムシャーが登場。イルムシャーが手かげた、しなやかな足回りに加え、MOMO製ステアリングとレカロ製シート、専用デザインのフルホイールカバーなどが特徴だった。
1987年8月には一部改良でテールランプやアルミホイール、コンソールおよびステアリングのデザイン変更などを行なった。1988年6月にはXEハンドリング・バイ・ロータス(handling by LOTUS)を追加。
こちらはMOMO製ステアリングと英国のロータスがチューンしたサスペンションとBBS製2ピースアルミホイール、7項目調節機構付きのバケットシートなどを装備した。1989年12月には最後のモデルとして、XEリミテッド・ハンドリング・バイ・ロータスを追加し、1991年8月に初代ピアッツァは販売を終了。
なお通常モデルのほかに、GM車の日本輸入元だったヤナセで販売された「ピアッツァ・ネロ(Piazza Nero)」も存在する。ピアッツァ・ネロは内外装色にブラックも用意され、ピアッツァの特徴である異型2灯ヘッドライトは輸出仕様の4灯タイプになるなどの差別化が行われていた。
現在、ピアッツァの中古車流通台数は10台あまりで、価格帯は200万~280万円。数年前に比べると、倍以上に値が上がっている。
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いかがだったでしょうか? もちろんクルマのあだ名、ニックネームにはほかにもたくさんありました。しかし、なんで最新のクルマにあだ名はあまり付けられないのでしょうか? 最近ではウイングロード「うなぎ犬」、R35GT-Rの「ゴジラ」、デリカD:5の顔「電気シェーバー」といったところでしょうか?
デザインが画一的でヘッドライトも異型ヘッドライトやコの字型で、超が付く個性的なデザインが少なくなったからではないでしょうか。みなさんはどう思いますか?
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