【名車だったが迷走!!】発売前は高評価だったのに売れなかったクルマ6選

初代マツダMPV

販売期間:1990~1999年
苦戦した要因:大きすぎた

全長4465×全幅1825×全高1755mmというボディサイズは現在では当たり前の大きさだが当時としてはもの凄く巨大なクルマとして敬遠されていた

 初代MPVは日本よりずっと早くミニバン文化が始まったアメリカに輸出された、FRのミニバンである。当時はバブルの絶頂期という時代背景もありMPVは日本でも販売され、FRでV6エンジンを積むだけにそれまでの1BOXカーとはまったく違う高級なフィーリングや格調を感じるスタイルが高く評価された。

 しかし同じ年に動力性能はMPVに劣るものの未来的なスタイルをした初代エスティマが登場したことや、2列目をキャプテンシートとした初代エスティマに対し初代MPVは3列目へのアクセスも考慮し2列目が狭いベンチシートだった点、価格の高さが原因で評価の割に販売は振るわなかった。

 ただ初代MPVが9年間販売されたことは、1990年代中盤からマツダがドン底となりなかなかフルモデルチェンジできなかったという事情もあるにせよ、MPVの基本設計の確かさのよるところもあったのも事実だ。

天才タマゴことエスティマでさえ大きすぎて敬遠する人が多く、コンパクト化したルシーダ/エミーナのほうにユーザーは流れていった

ホンダCR-Xデルソル

販売期間:1992~1999年
苦戦した要因:ユーザーはCR-Xの正常進化を求めていた

電動トランストップという武器を与えられたデルソル。その技術は当時として世界的に最先端を行っていたが、ユーザーが求めたのはそれではなかった

 シビックをベースとした2ドアファストバックだったCR-Xはスタイリッシュだけど、ジムカーナでは絶大な強さを持つ硬派なクルマで、この点がそれなりに支持されていた。

 しかしその後継車として登場したCR-Xデルソルは時おり大きなコンセプトの変化を行う当時のホンダらしくというか、電動タルガトップも持つ2人乗りの軟派なオープンカーに変身した。

 このコンセプトは環境問題がこの頃から注目されてきたこともあり、「速さではないクルマの楽しみ方の新しい形」として一部自動車メディアでは高く評価された。

ショートホイルベースのFFスポーツのCR-Xは若者に人気で、次期モデルの走りはどれだけ進化しているのか期待していたが、ホンダは走りではない方向に舵を切った

 だが一般ユーザーは自動車メディアほど変化が早くないこともあり、CR-Xのユーザーには完全にソッポを向かれ、オープンカーが欲しいユーザーはそのパイオニアでFRという魅力もあるロードスターを買うなど結果は踏んだり蹴ったりで、CR-Xはこのデルソルで絶版となってしまった。

 CR-Xの名を付けずデルソルとしてデビューしていればと惜しまれる。

トヨタプログレ

販売期間:1998~2007年
苦戦した要因:難解なデザインとユーザーは小さな高級車を求めていなかった

ボディサイズは全長4500×全幅1700×全高1435mmを今考えてもジャストサイズ。ただ小さな高級車という挑戦するにあたりこのデザインはあまりにも突飛すぎた

 プログレは当時のトヨタの直6エンジンを積むFRのプラットホームを使い、「小さな高級車」を目指したモデルだ。

 プログレはエンジンこそ2.5Lと3Lながらボディサイズはほぼ5ナンバーサイズで、その中に塗装やインテリアに代表されるクオリティはセルシオ級のものを持っており、クルマの内容に関しては自動車メディアで絶賛された。

 しかし当時のユーザーは前述のコンチェルトと同様に小さな高級車というコンセプトに魅力を感じず、近い価格のクラウンやベンツCクラスといったわかりやすいクルマを選んでしまった。

 初代プログレのクセのあるスタイルを理解できなかったという理由で、後に兄弟車のブレビスも加わるが、トヨタの挑戦は残念ながら失敗に終わった。

 だが高齢化が進んでいる現在の日本ではプログレのコンセプトは非常に魅力的なだけに、プログレのようなボディサイズやFRとはいかなくても、適度なサイズで高級な機能を持ったクルマというはほどほどの価格であれば受け入れられるような予感がする。

プログレの兄弟車としてミニセルシオといったわかりやすいデザインを採用したブレビスが追加されたが販売は大きく好転することはなかった

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