こんなクルマよく売ったな!! 【愛すべき日本の珍車と珍技術】出るのが早すぎた??? 元祖軽クロスオーバー[ネイキッド]が売れなかった理由とは

こんなクルマよく売ったな!! 【愛すべき日本の珍車と珍技術】出るのが早すぎた??? 元祖軽クロスオーバー[ネイキッド]が売れなかった理由とは

 これまで日本にはたくさんのクルマが生まれては消えていった。そのなかには、「珍車」などと呼ばれ、現代でも面白おかしく語られているモデルもある。しかし、それらのクルマが試金石となったことで、数々の名車が生まれたと言っても過言ではない。

 当連載では、これら「珍車」と呼ばれた伝説のクルマや技術などをピックアップし、その特徴を解説しつつ、日本の自動車文化を豊かにしてくれたことへの感謝と「愛」を語っていく。今回は、「日常の足」という概念を打破する新ジャンルのスモールカー、ネイキッドを取り上げる。

文/フォッケウルフ、写真/ダイハツ

【画像ギャラリー】当時としては珍しい“オリジナリティ”を持つ軽自動車、ネイキッドの写真をまとめて見る!(3枚)画像ギャラリー

■斬新さを全面に押し出したタフなクロカン風スタイル

 今でこそ軽自動車といえばファミリーの定番として選ばれるようになったが、ネイキッドが登場した当時の軽自動車は、まだ日常の足に位置づけられていた。

 そうした事情を鑑みて、ネイキッドは「自由自在にクリエイティブ・カー」をコンセプトに掲げ、独自の個性を尊重しつつも使い勝手や居住性、快適性など軽自動車としての本質を追求。ダイハツの売れ筋であるムーヴやミラと差別化を図りながら、乗る人が自分の趣味やライフスタイルに応じた使い方ができる工夫を施すことで、乗る人が主体になれるという特徴を突き詰めている。

 日常用途での実用性をベースにしながら乗る人が主体になれることを目指しており、ムーヴやミラといった同時の売れ筋車種とは一線を画した個性が与えられた新ジャンルのスモールカーとして、それまでとは違うユーザーへアピールした。

98年の軽自動車規格変更の一年後となる1999年に発売されたネイキッド。ビス打ちっぱなしのように見えるカスタム感溢れるスタイルで話題となった
98年の軽自動車規格変更の一年後となる1999年に発売されたネイキッド。ビス打ちっぱなしのように見えるカスタム感溢れるスタイルで話題となった

 「ネイキッド(NAKED=裸の状態)」というネーミングどおりシンプルかつ飾り気のない機能主義でまとめられた外観は、生産終了して20年以上が経過した今でも色褪せた感がない。

 「タフ&シンプル」をコンセプトに掲げ、箱型ボディをベースに機能を融合させたスタイルは、1997年に開催された第32回東京モーターショーに参考出品されたプロトタイプそのまま。

 骨太のBピラーとCピラー、前後共通のドアパネル、部分交換も可能な3分割フロント&リアバンパーの造形も相まって、軽自動車にありがちなチープなイメージが払拭され、小さいながらも屈強なクロカンSUVのような趣きを感じさせてくれる。

 無骨なイメージを強調しながらも、ボディシルエットを引き締める薄型ルーフレールやフロントピラーモール、握りやすいバータイプアウタードアハンドルを採用することで洗練された雰囲気もプラスしていた。

 また、足もとには素材感を生かしてスチールそのものに意匠した13インチフルメタルホイールと非対称パターンタイヤを標準装備。これも“NAKED=裸の状態”へのこだわりと言っていい。

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■趣味の道具として頼もしく使い倒せる機能が充実

 車内についても板金パネルをデザインモチーフに構成することで独特の個性が主張されているが、クルマを道具として捉え、オーナーが使いやすいようにさまざまなアレンジができた。

 室内のインナールーフサイドには突っ張り棒が使えるバーエンドキャッチャーを片側に4カ所ずつ、Cピラーにナットを埋め込んだ穴を左右6カ所ずつ、さらにハッチバックドアの内側にもナットを埋め込んだ穴を左右2カ所ずつ設け、自分流の工夫がしやすいフリーアレンジインテリアを実現していた。

 シートにも工夫がなされており、助手席は前倒ししてフラットにできる機構が設けられており、後席は1脚の重量を約8kg(ヘッドレスト付は約9kg)の超軽量として、左右独立で取り外しできるようにすることで多彩なシートアレンジが行える。

 ちなみに、荷室スペースは左右のリアシートを取り外した状態で最大1095Lの容量が確保され、さらに助手席シートバックを前倒しすることで、長さ2.1mまでの長尺物を積載することもできた。490mmの超低床フロア、大開口ハッチバックドアの採用も荷物の積み下ろしを容易にし、多彩な用途に配慮したポイントと言えるだろう。

内装はオーソドックスなブラックも用意されていたが、ドアトリムやインパネ、ステアリングのセンター部までグリーンで統一した仕様も用意するなど、遊び心に溢れたクルマであることを実感させた
内装はオーソドックスなブラックも用意されていたが、ドアトリムやインパネ、ステアリングのセンター部までグリーンで統一した仕様も用意するなど、遊び心に溢れたクルマであることを実感させた
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