ジムニー、クラウン、フォレスター…発売後1年でわかった人気車のアバタとエクボ

トヨタカローラスポーツ/2018年6月26日発売

※(iMT搭載車は8月発売)

歴代カローラハッチバックのなかでも最も評価の高いカローラスポーツ
歴代カローラハッチバックのなかでも最も評価の高いカローラスポーツ

■カローラスポーツのエクボ(○なところ)

 カローラスポーツは、TNGAの考え方に基づく新しいプラットフォームを使って開発された。このプラットフォームは、まず現行プリウスに採用され、C-HRを経てカローラスポーツに至ったから熟成も進んだ。

 2019年には、新型カローラセダン&ツーリングの投入と併せて早くも改良を行い、路面のウネリなどを通過した時の挙動の収まりも向上させた。

 操舵に対する反応が正確で、危険を避ける時の安定性も高い。乗り心地は18インチタイヤ装着車は硬めだが、タイヤが路上を細かく跳ねるような粗さは抑えた。引き締まり感が伴い、クルマ好きのユーザーには喜ばれそうだ。

 さらに1.2Lの6速MTにはiMTと呼ばれる、スタート時のエンストを防ぐためにエンジン出力を自動調整する発進アシスト機能や、変速時に自動でエンジンの回転数を合わせるレブマッチ機能が搭載されている。

 とにかく、これまでのカローラのハッチバックとは一線を画しており、一番優れている。

■カローラスポーツのアバタ(×なところ)

 エンジンは1.2Lターボと1.8Lハイブリッドを用意する。カローラスポーツは走行安定性を高めたので、ターボ、ハイブリッドともに動力性能が物足りない。

 特に1.2Lターボは、6速MTを設定しているのだから、もう少し高回転域まで回せると良い。車名にはスポーツの文字が入るが、エンジンの性格は実用指向だ。

 全幅は1790mmだから、日本で使うには少しワイドな印象がある。カローラのセダンとツーリングは、この点を懸念して全幅を1745mmに抑えた。

 ボディが3ナンバーサイズの割に、後席の足元空間は狭めだ。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ1つ、あるいは1つ半にとどまる。この余裕はヴィッツと同程度だ。

6速iMTを採用する1.2Lターボ。インパネのデザインも新しく質感も高い
6速iMTを採用する1.2Lターボ。インパネのデザインも新しく質感も高い

■まとめ/1年経った再評価

 後席の足元空間は狭いが、その分だけ前席に余裕が生じた。前輪とペダルの間隔も十分に離れているから、タイヤの収まるホイールハウスと干渉せず、ペダルを左側に寄せる必要もない。

 ヴィッツや従来型のカローラアクシオ&フィールダーに比べて、ペダルの位置と運転姿勢を最適に設定できた。

 全幅がワイドだから走行安定性が優れ、乗り心地とのバランスも良好だ。つまりカローラスポーツは、運転姿勢や走行性能など、ドライバーを優先して開発されている。1年経っても高評価は変わらない。

スバルフォレスター/2018年6月20日発売

※(2.5L車は7月19日発売、e-BOXERを搭載するAdvanceは9月14日発売)

 145ps/19.2kgmの2L水平対向4気筒エンジンを13.6ps/6.6kgmの電気モーターがアシストするこのHVシステムをe-BOXERと呼んでいる 。 アドバンス(e-BOXER)以外のガソリン車は2.5L直噴フラット4+CVTを搭載する。スペックは184ps/24.4kgm
145ps/19.2kgmの2L水平対向4気筒エンジンを13.6ps/6.6kgmの電気モーターがアシストするこのHVシステムをe-BOXERと呼んでいる 。 アドバンス(e-BOXER)以外のガソリン車は2.5L直噴フラット4+CVTを搭載する。スペックは184ps/24.4kgm

■フォレスターのエクボ(○なところ)

 プラットフォームはインプレッサなどと共通だが、最低地上高(路面とボディの最も低い部分との間隔)は220mmを確保した。悪路のデコボコも乗り越えやすく、走破力は十分に高い。

 そのために全高は1800mmを超えるが、水平対向エンジンの搭載で重心は低く、走行安定性も良好だ。

 外観は典型的なSUVだが、ワゴンに近い挙動を示す。最低地上高に余裕を持たせながら、床の位置はあまり高まらず、乗り降りもしやすい。水平対向2.5Lエンジンは、車両重量に見合う動力性能を発揮する。

ステアリングやシフト回り、メーターパネルなどに金属製パーツを採用し、精微さと剛性感を表現。インパネやセンターコンソールなどにステッチを採用するなど、細かいところまでこだわりをみせる
ステアリングやシフト回り、メーターパネルなどに金属製パーツを採用し、精微さと剛性感を表現。インパネやセンターコンソールなどにステッチを採用するなど、細かいところまでこだわりをみせる

■フォレスターのアバタ(×なところ)

 全幅は1815mmとワイドで、混雑した市街地や駐車場では、ボディが大柄に感じる。全高も1800mmを超えるので、フォレスターの個性が薄れて一般的なSUVになった印象だ。

 ハイブリッドのe-BOXERは、WLTCモード燃費が14.0km/Lで、2.5L、NAエンジンの13.2km/Lと比べ、たった0.7Km/Lのアドバンテージしかない。

 しかもWLTCの郊外モード(2.5L、NA=14.6km/L、e-BOXER=14.2km/L)と高速道路モード( 2.5L、NA= 16.4km/L、 e-BOXER= 16.0km/L)では、e-BOXERの燃費数値はNAエンジンに負けてしまっているのだ。

 蛇足かもしれないが、この代になってからMTとターボが廃止されたことは大きい。いまだにスバリストから恨み節が聞かれる点についても伝えておきたい。

■まとめ/1年経った再評価

 外観では全幅のワイド化もあってスバル車の個性は薄れたが、SUVの存在感は強まった。力強くてカッコ良く、なおかつ走りの面では重心の低さも感じられる。SUVの機能が優れ、なおかつ欠点を払拭させた。

 またe-BOXERは価格が格安なところも嬉しい。発売当初はそんなに思わなかったが、改めて見ると割安感が高い。

 価格はe-BOXER搭載のアドバンスが315万7000円、2.5L、NAエンジンのプレミアムが308万円、X-BREAKが297万円、ツーリングが286万円。

 2.5L、NAエンジンを搭載するプレミアムとの価格差は7万7000円差に収まり、しかもアドバンスにはドライバーモニタリングシステムと運転席の自動後退機能も標準装着される。

 したがって両グレードの価格差は埋まり、ハイブリッドとNAエンジンが同程度になっている。

 フォレスターデビュー時にはなかった、現在人気ナンバー1の強敵RAV4と比べるとフォレスターは厳しいといわざるを得ない。もっとRAV4を圧倒的に上回る、付加価値がないと厳しいままだろう。

次ページは : トヨタクラウン/2018年6月26日発売

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

マツダ6、実は水面下で開発が続いていた!? 注目新車情報、グッズが当たるアンケートも展開「ベストカー4月26日号」

マツダ6、実は水面下で開発が続いていた!? 注目新車情報、グッズが当たるアンケートも展開「ベストカー4月26日号」

終売が報じられたマツダ6はこのまま終わるのか? 否!! 次期型は和製BMW3シリーズといえるような魅力度を増して帰ってくる!? 注目情報マシマシなベストカー4月26日号、発売中!