ニュルブルクリンクサーキットでクルマを鍛えることで始まった「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」。7度目のニュルブルクリンク24時間レースでステアリングを握った豊田章男会長が改めて語った「原点」の意味とは?
文:ベストカーWeb編集部/写真:三橋仁明 ・ N-RAK PHOTO AGENCY、ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】会長だってここまで大変だったんだよ!! ルーキーレーシング×ガズーレーシングとはクルマづくりだけでなく人づくりだった!!(3枚)画像ギャラリー「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」と「もっといいクルマ」は似ているが違う
豊田章男会長はニュルブルクリンク24時間レースの決勝前に興味深いことを言っていた。それは「『モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり』と社長になって言い始めた『もっといいクルマをつくろうよ』の『いいクルマ』は似ているようで違うと思います」と話したことだ。
ニュルブルクリンク24時間レースの活動はまさに「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」そのものであり、勝負にこだわるクルマをつくることだが、「もっといいクルマ」はもう少し広い意味を持つ。社員ひとりひとりが「もっといいクルマとは何か?」を考え、お客様が本当に必要としている商品、収益や台数にとらわれない商品をつくり始めるきっかけとなった。
商品を作るうえで2つを両輪と考えてきた豊田章男会長だからこそ「似ているようで違う」と明確に言い切ることができるのだ。さらに「もっともっといいクルマをつくろうとすれば、両方を軸にしてやっていかないと持続可能というわけにはいかないように思います」とも語った。想像するに台数を追わないモータースポーツに勝てるクルマとコストパフォーマンスに優れ、台数の出るクルマと考えるとわかりやすいかもしれない。
商品だけでなく「人」を生みだすこと
さらに豊田章男会長はこう続けた。
「商品が出そろったということで、社長を降りました。ただ、モリゾウとマスタードライバーの存在なくても、いい商品が出続けますか? と問われると「もっと自信が欲しい」というのが正直なところです。ただ、期待値として大きく上がってきています。原点とは何か? それはそういう(マスタードライバーになりうる)人が生まれることだと思います。環境がどんなに変わっても覚悟を持った人さえいれば、商品は大丈夫だと思います。人を生むためにもニュルブルクリンク24時間レースのような現場が必要なのです」。
豊田章男会長がモータースポーツでクルマづくりと同じくらい重要視しているのが人づくり。自分に続くマスタードライバーづくりも進めているのだ。
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