できる? できない?? WRCラリージャパン11月下旬は開催できるのか???

再開スケジュールで最終戦に組み込まれている

 WRCの年間開催スケジュールについても、7月2日にようやく今後の改訂カレンダーが発表され、ラリージャパンは以前と変わらず最終戦に据えられている。

 コロナ禍でアルゼンチン、ポルトガル、サファリ(ケニア)、フィンランド、ニュージーランド、GB(イギリス)など計6イベントが今シーズンの中止を余儀なくされた。 

育成ドライバーの勝田貴元が、9月4日からのラリー・エストニアで活動を再開すると同時に、ラリージャパンへの参戦も正規に発表された
育成ドライバーの勝田貴元が、9月4日からのラリー・エストニアで活動を再開すると同時に、ラリージャパンへの参戦も正規に発表された

 それにも関わらず、フライアウェイイベントである日本がカレンダーに残ったことに、主催者とFIAおよびWRCプロモーターの、強い意志を感じる。

 ちなみに、当初予定されていたラリーが次々と中止になったことにより、年間イベント開催数は13戦から7戦にまで減る可能性があった。

 また、今後さらに開催不可能となるラリーが出る危険性も排除できないため、WRCは本来シリーズに含まれていなかった「ラリー・エストニア」を、急きょ加えることにした。

1~3戦は新型コロナが世界的に深刻化する前だったためにすでに終了している。再開後のスケジュールで日本だけが欧州外というのが気になる
1~3戦は新型コロナが世界的に深刻化する前だったためにすでに終了している。再開後のスケジュールで日本だけが欧州外というのが気になる

FIAは最低7戦を確保したい考え

 また、それ以外にもベルギーの「イープル・ラリー」と、「クロアチア・ラリー」もシリーズに加えることを協議している。この3戦はいずれも過去WRC未開催のイベントであり、異例の措置といえる。

 WRCとしては、さらに2〜3戦が減ったとしても、最低7戦は確保したいという考えだろう。

WRC初開催となるエストニアは、2019年にタナックがトヨタでチャンピオンを獲得したことでラリーが大ブーム。ヒーローの誕生が国全体を盛り上げる典型例だ
WRC初開催となるエストニアは、2019年にタナックがトヨタでチャンピオンを獲得したことでラリーが大ブーム。ヒーローの誕生が国全体を盛り上げる典型例だ

 バルト三国のエストニアは昔からラリーが盛んだったが、自国のオィット・タナックがWRCで優勝し、昨年トヨタで世界チャンピオンに輝いたことで今や国中がラリーブームに沸いている。

 ラリー・エストニア自体も以前からWRC誘致に熱心で、国もそれをバックアップしていた。

 地理的にはフィンランドに近く、WRCラリー・フィンランドの直前に開催されることが多かったため、これまで多くのトップ選手やチームが前哨戦として参戦していた。

 つまり、WRC開催実績こそないが、WRCレベルの選手やマシンを迎えた経験は十分で、運営面での懸念事項はあまりない。

 大会のボスが、かつてスズキやシトロエンからWRCに出場していた、ウルモ・アーヴァ氏であることも、競技運営面では安心材料だ。

 イープル・ラリーはベルギーの伝統的なターマックイベントで、絶大な人気を誇る1戦だ。

イープル・ラリーはヒュンダイにとってはぜひともカレンダーに組み込みたい1戦に違いない。地元のヌービルの存在で盛り上がること間違いなし
イープル・ラリーはヒュンダイにとってはぜひともカレンダーに組み込みたい1戦に違いない。地元のヌービルの存在で盛り上がること間違いなし

 大会のトップは、ヒュンダイのチームマネージャーであるアラン・ペナスであり、こちらも運営面では問題ないが、ヒュンダイに有利な材料が揃うことは想像に難くない。

 また、自国イベントということもあり、ヒュンダイのティエリー・ヌービルが過去何度も出場していることも、ヒュンダイにとっては大きなアドバンテージである。

 エストニアとイープルの2戦は、その国のヒーローであり大会経験も豊かなふたりのドライバーを抱えるヒュンダイにとって、好機に違いない。

 クロアチア・ラリーが候補イベントに抜擢されたのは意外だったが、クロアチアも以前からWRC開催を熱望しており、政府も予算を確保していた。

 それでも、ヨーロッパ圏でのイベントがあまりにも多すぎるため、例え東ヨーロッパの国であろうと実現は難しいと考えられていたが、急きょビッグチャンスが回ってきた形だ。

第3戦のラリー・メキシコではトヨタのオジエが優勝。3戦を終了した時点で、オジエ&トヨタがポイントトップ。しかしライバルとは僅差
第3戦のラリー・メキシコではトヨタのオジエが優勝。3戦を終了した時点で、オジエ&トヨタがポイントトップ。しかしライバルとは僅差

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