再開スケジュールで最終戦に組み込まれている
WRCの年間開催スケジュールについても、7月2日にようやく今後の改訂カレンダーが発表され、ラリージャパンは以前と変わらず最終戦に据えられている。
コロナ禍でアルゼンチン、ポルトガル、サファリ(ケニア)、フィンランド、ニュージーランド、GB(イギリス)など計6イベントが今シーズンの中止を余儀なくされた。
それにも関わらず、フライアウェイイベントである日本がカレンダーに残ったことに、主催者とFIAおよびWRCプロモーターの、強い意志を感じる。
ちなみに、当初予定されていたラリーが次々と中止になったことにより、年間イベント開催数は13戦から7戦にまで減る可能性があった。
また、今後さらに開催不可能となるラリーが出る危険性も排除できないため、WRCは本来シリーズに含まれていなかった「ラリー・エストニア」を、急きょ加えることにした。
FIAは最低7戦を確保したい考え
また、それ以外にもベルギーの「イープル・ラリー」と、「クロアチア・ラリー」もシリーズに加えることを協議している。この3戦はいずれも過去WRC未開催のイベントであり、異例の措置といえる。
WRCとしては、さらに2〜3戦が減ったとしても、最低7戦は確保したいという考えだろう。
バルト三国のエストニアは昔からラリーが盛んだったが、自国のオィット・タナックがWRCで優勝し、昨年トヨタで世界チャンピオンに輝いたことで今や国中がラリーブームに沸いている。
ラリー・エストニア自体も以前からWRC誘致に熱心で、国もそれをバックアップしていた。
地理的にはフィンランドに近く、WRCラリー・フィンランドの直前に開催されることが多かったため、これまで多くのトップ選手やチームが前哨戦として参戦していた。
つまり、WRC開催実績こそないが、WRCレベルの選手やマシンを迎えた経験は十分で、運営面での懸念事項はあまりない。
大会のボスが、かつてスズキやシトロエンからWRCに出場していた、ウルモ・アーヴァ氏であることも、競技運営面では安心材料だ。
イープル・ラリーはベルギーの伝統的なターマックイベントで、絶大な人気を誇る1戦だ。
大会のトップは、ヒュンダイのチームマネージャーであるアラン・ペナスであり、こちらも運営面では問題ないが、ヒュンダイに有利な材料が揃うことは想像に難くない。
また、自国イベントということもあり、ヒュンダイのティエリー・ヌービルが過去何度も出場していることも、ヒュンダイにとっては大きなアドバンテージである。
エストニアとイープルの2戦は、その国のヒーローであり大会経験も豊かなふたりのドライバーを抱えるヒュンダイにとって、好機に違いない。
クロアチア・ラリーが候補イベントに抜擢されたのは意外だったが、クロアチアも以前からWRC開催を熱望しており、政府も予算を確保していた。
それでも、ヨーロッパ圏でのイベントがあまりにも多すぎるため、例え東ヨーロッパの国であろうと実現は難しいと考えられていたが、急きょビッグチャンスが回ってきた形だ。
コメント
コメントの使い方