メーカーの枠を越え活躍したシューマッハ
ミハエル・シューマッハはメルセデスのサポートを受けながら、フォードそしてルノー陣営でチャンピオンを獲得し、フェラーリで黄金期を作ったが、結局メルセデスチームの創成期にチームに戻りしっかりとお礼奉公をしている。
BMWもセバスチャン・ベッテルと契約を持っていながら、レッドブルに契約を貸し出している。
彼らは育てたドライバーを修業に出すことを厭わない。それが将来、自チームに帰還し役立つ事を念頭に入れ、ドライバー育成を長い目で見ているのだ。実はこんな日本と西欧とのカルチャーの違いが真の国際的ドライバーの誕生を遮っていると思うのだ。
F1ドライバーは数多い。しかしその中でF1グランプリでの表彰台を経験した者となると極めて少なく、F1に登場した数多くのドライバーは表彰台に近づく事も出来ず、その多くは1ポイントも取れずにF1を去っている。
しかし、日本人は小林可夢偉、佐藤琢磨、鈴木亜久里の表彰台を含めて、多くのポイントを獲得してきた。ドライビングが上手くなければ、例え偶然でも到達できないのが入賞だ。これだけでも日本人ドライバーの優秀さに疑いの余地はない。
折角のパフォーマンスもメーカーが絡んだ時点で彼らを見つめる目にはメーカー色のフィルターが掛けられてしまう。
本当はそれでも修業に出すのが真のドライバー育成なのだが、日本のカルチャーはこれを認めず、結局は日本に戻す、あるいはドライバー自ら戻ってしまいF1人生を終えてしまう。
日本人F1ドライバーに求められる自力で這い上がる力
F1は欧州から生まれた国際競技、国境のない世界選手権。これを走るドライバーは国際級のアスリート。メーカーが“タニマチ”になってしまい、それも贔屓の引き倒しに近い行為を行う。これでは過去も現在もこれからも国際級トップドライバーは現れない。
若いドライバーの多くは海外に打って出る資金もなければ、多くは意思さえなく、メーカーのドライバーというポジションを器用にこなすことに明け暮れる。大志を抱かず、国内向きにしか物事を考えない。
これでは将来にトップドライバーが出てくるとは思えない。願わくは欧州武者修業から始めて、自力でF1にはい上がるドライバーに出てきて欲しいが・・・これは少々高望み?
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