2021年10月16、17日にツインリンクもてぎで行われた2021年スーパーフォミュラ第6戦で、野尻智紀が初のシリーズチャンピオンを獲得した。
第6戦の興奮も冷めやらぬ中、早くも未来をを見据えるチャンピオン、野尻智紀に話を伺った。
文/段 純恵、写真/HONDA
■どんな時でも崩れない本当の強さを身につけるのはもう少し先かな
今季の強さの理由ですか? そうですね。どんな状況でも打開していけるだけの力はまだ足りないと、正直、自分では思うところがあります。
レース中のドライバーは、チームからのサポートはあるけれど最後は自分ひとりでどうにかしなきゃいけない。そこを問われるのがこの仕事の側面です。今季、予選順位が下のほうから闘ったレースもありましたが、その時も順位以上にマシンのポテンシャルがあるなかで戦えた。
チームとマシンに助けられながらレースを進めることができて、それが周りから見ると僕の強さに見えたのかなと受け止めてます。仮に少しでもクルマが良くなかったら、ドライビングで躊躇してしまう場面があったかもしれません。
何か歯車が少しズレた時に自分も崩れてしまうようでは、脆弱な『強さ』でしかないと思う。どんな時でも崩れない、本当の強さを身につけるにはもう少し先かなという印象です。
レースへの取り組みやレース中にやっていることは過去と比べて一段も二段も高いレベルになったと思います。体力とかトレーニングだけじゃなく、クルマやドライビングに対してどう向き合うかのレベルは上がってきている実感があります。
例えばマシンのセットアップですが、スーパーフォーミュラだけじゃなくスーパーGTでのいろんな経験の引き出しを少しずつ使って、こういうクルマの動きをしている時はこういう考え方でこう対応するとか。そうすることで正解に近づくと思うし、正解を見つけた時はすごく嬉しい。
’19年からこのチームで仕事をさせてもらっていてメンバーも変わってません。同じ認識のもと、ひとつひとつパズルのように組み合わせてくことができたのも、開幕戦から強力なポテンシャルを出せた要因のひとつですね。
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