10月25日、全日本選手権を開催する株式会社日本レースプロモーション(以下JRP)は都内において2022年以降の持続可能なモータースポーツ業界づくりを目的としたプロジェクト、「SUPER FORMULA NEXT 50」の始動を発表した。
’73年に全日本F2000選手権として始まった国内最高峰フォーミュラカーレースは、F2、F3000、フォーミュラ・ニッポン、そして現行のスーパーフォーミュラと名称を変更しながら歴史を重ね、’22年には50周年の節目を迎える。
折しも自動車業界全体がコロナ禍、そして脱炭素社会の大号令のもと転換期を迎えており、モータースポーツもその影響を受けずにはすまない。この変化に真摯に向き合い、これからの社会において必要とされるモータースポーツを目指すことがこのプロジェクトの目的だ。
文/段 純恵、写真/HONDA
■『社会に必要とされる』モータースポーツを目指す
プロジェクトのテーマは3つあり、ひとつめは『ドライバーズファースト』。
これまでにも日本のトップフォーミュラから世界で活躍するドライバーが誕生しているが、今後さらにその価値を高め、国内はもとより世界中のレーシングドライバーや子供たちに憧れられるレースを目指そうというもの。
情報発信の進化や一部大会の「土日2レース制」導入、そして若手ドライバーやエンジニアなどの育成にも注力するという。
テーマのふたつ目は『モビリティとエンターテイメントの実験場』。
モビリティ面では、シリーズパートナーであるトヨタ、ホンダと協力して開発段階の技術を搭載したテストカーを走行させるなど、実証実験による技術進化を狙う。
パワートレーン、シャシー、タイヤ、素材、燃料等あらゆる面で市販車両も含めたカーボンニュートラルの実験場とし、バイオ燃料や植物由来の天然素材によるシャシーの導入等を目指す。
エンターテイメント面では、映像、音楽、データ、通信、AI、ゲーム、アニメーション等、様々な切り口から新しいモータースポーツカルチャーの創造に挑戦するという。
3つめは『デジタルシフト』。
’22年の年明け早々にもスマホに最適化させたスーパーフォーミュラの新しいデジタルプラットフォームを立ち上げ、ファンが見たいコンテンツをいつでもどこでも見られる環境を整備。レースのライブ中継、全ドライバーのオンボード映像や様々な車両データ、無線音声等をファンは観戦体験できるようになるという。
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