■どんな判断にしろ、最後はチーム代表の僕の責任
――強い覚悟を決めて受けた代表職だった。
「世の中で何かをやる時って、自分一人じゃ何もできないです。レースでも、メカニックがクルマを作ってエンジニアがセットアップしてドライバーが走らせる。規模の大中小はあるけど、たくさんの人の力を借りながら物事を成功させるプロセスって、どの業界どんなビジネスでも一緒だと感じるんです。
でもどんな判断にしろ、最後はチーム代表の僕の責任。どんな決断だったとしても、その責任はキミたちじゃないから、っていうところが最終的に僕の役目なのかなって思ってます」
――うーん、大変だぁ……。
「でも、本当に恵まれてますよね、僕は。こういうチャンスをもらって、この年齢でこんな経験さしてもらうって。章男社長には本当に感謝しかないです」
――ズバリ、代表として2季目の目標は。
「プロフェッショナルとしてチームをより強くする。これは当たり前。あと究極を言えば、トヨタ自動車がお金を出さなくてもWECに参戦できるくらいのチーム運営って、どうやってやるんだろうっていうのを考えていかないといけないんじゃないかなって、僕は思ってる。
モータースポーツをやってることに対して周りの人たちが価値を見いだし、自動車メーカーは技術を提供するっていうのが理想だと思う。そういったことを含め、今年一年でこうしたほうが良いんじゃないかと思ったことを具現化するため、どういうアクションを起こすか、というのが2年目ですね」
――なんかそれ、会社経営者っぽいです。
「経営はやってないです(笑)。それは(中嶋)一貴がやってるほうが近い。僕のほうはチームの姿を変えていく、ということかな」
――どんなふうに、というのが楽しみです。
「そうでしょ。でもそんなパッとはいかないですよ、物事は。それにいま、世界的にいろんな物が値上がりしてるしね。いま使ってるケータリング会社なんか、来年は今年の倍の予算くれって言ってきてるんですよ」
――え! 倍!! いくらなんでも倍って……。
「たぶんむこうはリスクヘッジでそんなこと言ってくるわけですよ。僕は交渉してないんだけど、どうしたらいい? って担当者に聞かれたから、それやったらイタリアの田舎から適当なレストランの人を連れてきたらいいじゃん、美味いイタメシのほうがチームのみんなも喜ぶやん、なんて言ってます(笑)」
――美味いイタメシに変更されたら私もお相伴させてください。ありがとうございました。
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