TCRマシンに乗ってみた ガチンコ市販車ベースレース!! 【2019年本格始動】

■優等生かと思いきや実は暴れん坊なシビックTCR

 試乗はまずはホンダシビックから。こちらはスーパー耐久に参戦するシビックタイプRで、日本を代表するレーシングコンストラクターの童夢がメンテナンスを行っているマシンだ。

 童夢と荒選手といえばル・マンへの挑戦でタッグを組んでいたのも懐かしいところ。

 そんな間柄もあり「童夢がセッティングしているとなるとヤンチャですよ、たぶん(笑)」と荒選手。

約1500mのストレートを全速力で走り抜けるシビック。レーシングカーだが市販車をイメージしやすく非常に楽しい

 今回はジェットヘルメットにサングラスという怪しげな出で立ちでただ者ならぬオーラを振りまく(そもそも”ただ者”じゃないんだけど)。

 「アタック込みで3周で戻ってきますから」とコメントを残し、さっそうと走り出すシビック。

 当たり前なのだが初めて乗るレーシングカーでもエンストもせずスムーズにピットアウト。さすが世界の荒、経験値がちゃいまっせ。

 ピットアウト後のタイヤなどを温めるアウトラップが終わり、いよいよタイムアタック。

 「ブァァァァーーーン」という咆哮が1500mの富士スピードウェイのメインストレートにこだまする。

 ほどなくして荒選手がピットへ戻ってくる。JRPのスタッフが「1分50秒、ファステストです」と走ってくる。

 いやはや、あっさりと最速タイム出すとはすばらしい!! 気になるインプレはどうだろうか?

ジェットヘルメットにサングラスという出で立ちで、試乗直後には不敵な笑みを浮かべる荒選手。なんだかとても楽しそうだ

「パワー感はすごくありますね!! オーソドックスな走らせ方をすればちゃんと走ると思います。

 ただ今回のマシンがスーパー耐久で走ったままのセッティングだったこともあり、少し跳ねるのは気になりました。

 ターボラグは少なからずあるのですが回転域をしっかり保って走れば気になりません。

 とはいえFFらしくブレーキで後ろがめくれ上がるような、特徴的な動きも大きく出ます。

 そうは言っても手に負えないようなレベルではないので、しっかりとセオリーどおりに走れば問題ないと思います。

 ブレーキにしても150m看板の奥まで行けますし、レーシングカー寄りの走りを魅せてくれますね」。

 しっかりとブレーキングをして、クリッピングについていく。そんな教科書どおりの走りをすれば速く走れると分析する。

 マシンはイタリアのJAS(ヤス)が制作しており、どこか欧州の風も感じさせるマシンだったようだ。

■ドイツ代表アウディRS3はやはり硬派だった!?

 次はアウディRS3に試乗。こちらのクルマは海外のレースへ参戦していた個体でなんだかレーシーな雰囲気がムンムン。

 引き続きジェットヘルメットにサングラスの荒選手が乗り込みます。

海外のレース仕様ということでTCRジャパンの仕様とは少し異なるという今回のアウディ。シビックとの差は大きそうだ

 「このクルマも計測3周で戻ってきます」と残して颯爽とピットアウト。しばらくするとまたJRPのスタッフが走ってくる。

「1分49秒6です。ファステストです」。タイムアタックをする企画ではないものの、やっぱり1番は気持ちがいい(編集は何もしていないけど)。

 降りてきた荒選手を見る限りアウディのほうがシックリときたようだ。

「なんだかこちらのほうがシビックより重心が低くてレーシーですね。少ない操舵でグググっと曲がっていきます。FFだけどリアも流せますし、これはこれで面白いですね。

 ただどちらかというと引き出しが多い熟練ドライバー向けかな? エンジンはフラットな印象でシビックのようなターボラグもない印象。

 難点といえば視界が狭いことかな。シビックより圧倒的に見えない(笑)」。

少しばかり視野が狭いというアウディの視界。このあたりは市販車の影響をもろに受ける部分なので面白い

 やはり基本骨格が市販車だけあって視界などその素性は影響するようだ。

 またクルマ自体が持つ性格もアウディとシビックでは異なるようだ。

 マイルドな特性のシビックは初心者にも受け入れやすい幅広い乗り味を持っており、アウディは引き出しが多い熟練者も満足できる乗り味となりそうだ。

 シビックのマイルドさは状況変化に強く、レースでは扱いやすい時も多いと荒選手は語る。

次ページは : ■日本でも流行るのかTCRカテゴリー

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