年間8戦中の第5戦と、ちょうど折り返しを迎えた2023年のスーパーGTシリーズ。8月も終わりだが気温は30度を超える暑さの中、450㎞(77周)のレースが始まった。長丁場のレースとあって途中3回のFCYがあったが、これが勝敗に大きく影響する結果になった。
文/篠崎元信、写真/奥隅圭之
■500クラスのQ1は8号車が、Q2は16号車がトップとARTAの2台のNSXが絶好調
8月16日(土)午後の予選開始時点の気温は33度、路面温度は52度!とまだまだ真夏が続いている。予選Q1は10分間なのだが、1発勝負なので残り時間が5分になったころにようやく各車がコース上に揃い、3周目からいよいよアタックが開始された。
最初にタイムを出したのは17号車塚越で1‘47.176、これが当面の目標タイムになる。この後、更新されてゆくが、8号車の野尻が1’46.399を出してトップに。Q1突破の8台はNSXが5台、Zが2台で、スープラは38号車の1台だけなのが気になるところ。
Q2もNSXが速かったが、8号車はコースアウトしてしまいアウト、23号車と競った16号車がポールを取った。これに23号車、17号車が続いた。
300クラスはAグループの61号車のBRZがQ1から速く、Q2では山内がBグループトップの6号車アウディR8を抑えてP.P.を獲得。山内の通算14回目のP.P.はクラス最多記録だ。また2位には96号車、3位に4号車が入った。
■レース序盤は両クラスともP.P.のクルマが速かったが、3回のFCYが運命を分けた
決勝日の8月27日(日)も晴天で暑く、決勝直前の14時半過ぎには気温32度、路面温度50度になっていた。暑さは想定済みではあるもののタイヤが気になるところだ。決勝では500クラス16号車、300クラス61号車が開始直後から速く、後続との差を広げてゆく。
16号車は11周目の最初のFCY宣言の直前にピットインして給油を行ったが、これがベストタイミングで2位との差を広げた。この後は最初に作った貯金で危なげなく逃げ切って、最後の鈴鹿のレースでNSX-GTが有終の美を飾った。
23号車のMOTUL AUTECH Zも速く、2位でゴールしたが車検で失格に。結果、2位は12番手スタートの39号車、3位は11番手スタートの14号車とスープラが2台続いた。
【500クラス順位】
1位=No.16 ARTA MUGEN NSX-GT(福住仁嶺/大津弘樹)
2位=No.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra〈関口雄飛/中山雄一〉
3位=No.14 ENEOS X PRIME GR Supra〈大嶋和也/山下健太〉
【500クラスドライバーランキング】*第5戦終了まで
1位=No.3 千代勝正/高星明誠 …49P
2位=No.36 坪井 翔/宮田莉朋 …45P
3位=No.16 福住仁嶺/大津弘樹 …37P
300クラスは61号車が序盤はトップを走っていたが、1回目のピットインのタイミングのズレで順位を下げた。一時は87号車、88号車とランボルギーニの2台が1,2位を走った。49周目に56号車がクラッシュして2回目のFCYになったが、これを見ていた後続の87号車、18号車が抜け目なくピットへ。結果18号車がトップに躍り出た。
最後は18号車のルーキー小出と87号車のベテラン松浦のバトルになったが、1秒差を何とか守り切った18号車が優勝。今季2勝目を挙げた。87号車は2位、3位には猛烈に追い上げてきた61号車が入った。
【300クラス順位】
1位=No.18 UPGARAGE NSX GT3〈小林崇志/小出峻〉
2位=No.87 Bamboo Airways Lamborghini GT3〈松浦孝亮/坂口夏月〉
3位=No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT〈井口卓人/山内英輝〉
【300クラスドライバーランキング】*第4戦終了まで
1位=No.18 小林崇志/小出 峻 …40P
2位=No.7 荒 聖治 …40P
3位=No.56 J.P.デ・オリベイラ/名取鉄平 …38P
*18号車の1位は優勝回数が2回あるため
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