こんなことも起こるのだ。9月16・17日にスポーツランドSUGOで開催されたスーパーGT第6戦で、なんと500クラス300クラスともに1位でゴールしたクルマが車検で失格になり、それぞれ2位ゴールのクルマが優勝することに。菅生には天国と地獄があった。
文/篠崎元信、写真/奥隅圭之
■500クラスの予選はコースレコードの応酬で最後に8号車がP.P.獲得
予選日の9月16日の天候は曇り時々雨。300クラスの予選Q1開始直前に雨が降ったが500クラスのQ1が始まるころには路面はほぼ乾き、全車スリックタイヤでコースに出た。
Q1で速かったのは23号車の松田次生、1‘10.164でトップに。次は39号車の関口雄飛が1’10.334で続いた。3位には17号車の塚越広大が入った。
Q2ではチェッカーフラッグが振られたラップに、まずは17号車の松下信治が1‘09.607を出し、次いで23号車のロニー・クインタレッリが1’09.486で上回り、とどめは8号車の大湯都史樹が1‘09.413でP.P.を奪取。この3台のタイムは全て旧コースレコード(1’09.627)を更新していた。
300クラスはQ1のAグループは、ウエット状態の中、65号車の蒲生尚弥が、Bグループは18号車の小林崇志がトップ通過した。Q2は16台の勝負だが、P.P.は96号車に乗る高木真一。14回目のP.P.獲得はトップタイの記録になった。
■決勝は天国と地獄が交錯した信じられない展開になった
決勝の17日は薄曇りながら時々日が差す変わりやすい天気。決勝は午後1時半のスタート、300㎞(84周)のレースでピットストップは1回の義務付けだ。
レース前半では8号車と17号車が快調に飛ばし、17号車はピット作業の速さで8号車をアンダーカット。このNSX2台と、3番手を走る39号車のSupraがトップ3を形成した。異変が起こったのは37周目、100号車が56号車と交錯してクラッシュ。リヤセクションが無くなるほどの事故だったがドライバーの山本尚貴は大事には至らなかったとのこと。
この事故で赤旗中断になり、再開後は17号車、8号車、23号車の三つ巴の戦いになった。17号車と8号車は抜きつ抜かれつだったが、最後に8号車がトップに立ちゴール。しかしレース後の車検で規定違反を指摘されて失格。結果、8号車が今季初優勝を手にした。
【500クラス順位】
1位=No.8 ARTA MUGEN NSX-GT〈野尻智紀/大湯都史樹〉
2位=No.23 MOTUL AUTECH Z〈松田次生/ロニー・クインタレッリ〉
3位=No.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra〈関口雄飛/中山雄一〉
【500クラスドライバーランキング】*第6戦終了時まで
1位=No.3 千代勝正/高星明誠 …51P
2位=No.36 坪井 翔/宮田莉朋 …49P
3位=No.23 松田次生/ロニー・クインタレッリ …40P
300クラスも波乱があり、52号車が巧妙なピット作戦で実質トップに立ったが、赤旗中断の直前にピットに駆け込んだ18号車が3位に浮上。この2台が最後に争ったが最終ラップのゴールライン直前で52号車はガス欠でスローダウン、18号車がライン手前で抜き去って2戦連続で大逆転の1位になった。
劇的な幕切れかと思われたが、まだドラマは続いた。18号車が車検で最低地上高の規定違反になり失格。ガス欠で2位と涙を飲んだ52号車の埼玉トヨペット GB GR Supra GTの吉田広樹/川合考汰組が、今季初勝利を手にして幕切れになった。
【300クラス順位】
1位=No.52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰)
2位=No.20 SHADE RACING GR86 GT(平中克幸/清水英志郎)
3位=No.6 DOBOT Audi R8 LMS(片山義章/R.メルヒ・ムンタン)
【300クラスドライバーランキング】*第6戦終了時まで
1位=No.52 吉田広樹/川合孝汰 …50P
2位=No.18 小林崇志/小出 峻 …40P
3位=No.7 荒 聖治 …40P
コメント
コメントの使い方車検不適合で失格というのは、一番ダメだと思う。
特に今回は車高という、既定以下ならコーナリングも最高速も燃費も全て良くなる重要部分を破って、本来レースに参加する資格がなかったのに出て引っ掻き回したわけだから
入賞したチーム以外も影響受けてるし、やり直しも利かないのだから厳密に準備してほしい