トヨタが6度目のWECチャンピオン決定!! ルマンの「BOP問題」佐藤恒治社長に聞いてみた

■BOPとはこれからどう向き合う?

小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスの3名が駆るGR010 HYBRID 7号車は優勝を飾る
小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスの3名が駆るGR010 HYBRID 7号車は優勝を飾る

Q.BOPの今後の課題は。

A.プラットフォームBOPはしっかりかけていくほうがいい。ただル・マン前にああいうことが実際に起きると、じゃあル・マンまでは実力を抑えたほうがいいのか?ということになりかねない。

 そんなレースを本当にファンは望むのか。毎戦メーカーがガチで鎬を削り、それからル・マン!というレースをファンも望んでいるのではないかと思います。

 我々はマニュファクチャラーとして意見はいいますが、最後はACOなりFIAが決めたルールに従います。ル・マン以降もACOと会話は続いてますが、我々としてはとにかく公平で公正なBOPを目指してほしいです。

Q.もしル・マンでのBOPがもっと早い段階に示されていれば考えは違ったか。

A.タイミングの問題ではないですね。シーズン前に全マニュファクチャラーで意志決定したことに基づいて開発し、シーズンを迎えたわけです。その前提が覆ってしまうと、それまでの取り組みが違うものになってしまう。

富士スピードウェイ名物、富士山とマシンの2ショット
富士スピードウェイ名物、富士山とマシンの2ショット

Q.もしあのBOPでトヨタが勝っていたら、チームの雰囲気はいまと違ったかも?

A.そう思います。トヨタの本気というものを、章男会長があそこまでのメッセージで出してくれたので、チームのハートに火がついた。あれがなかったら僕等がいろんな物事にあたる熱量はいまと違っていたかもしれない。

 モンツァ戦もそうですけど、今日だってル・マンのことがあったからこの厳しい戦いに勝てたのだと思います。チームの誰ひとりとして、上からの指示なんて待っていない。

 絶対に負けねーぞ!と全員が勝つために自発的に動いている。僕がピットにいくと最初の頃はメカニックたちも「わ、CEOが来た」みたいに遠慮してましたが、いまでは「オマエもアレやれ!」くらいの感じです(笑)。

 モリゾーさんが目指しているプロフェッショナルで家庭的なチームのあり方が浸透してきたようで、その原動力になったのはやはり章男さんのあの勇気ある発言と行動だったと思います。

Q.いまACOとの関係性は良好に?

A.険しい表情になるような会話をした時もありましたが、昨日フィオンさんとけっこう良い会話ができました。もう一回握手して、未来志向でしっかりやっていこうねと。

Q.わだかまりなく前向きに。

A.はい。ちゃんと約束を守ってくれるということで。まぁあったことを忘れはしませんけどね(笑)。

後編に続く

【画像ギャラリー】母国富士でチャンピオン決定!! 5連覇を遂げたTOYOTA GAZOO RacingのGR010 HYBRIDをギャラリーでチェック(23枚)画像ギャラリー

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