■チーフインストラクターはWRC優勝15回のミッコ・ヒルボネンさん
ちなみにタイムだけでなく、ナビシートに座るインストラクター(ヨウニ・アンプヤさんかミッコ・ヒルボネンさん)がドライビングをチェック。才能あると判断すれば3番手までのタイムにかぎらず第二次選考に残すという。
ということで午前中の選考会では4人が次に進むと発表された。私を含めたら5人ですね、ということで走行試験は午後。隣に座るの、憧れのWRC優勝15回のヒルボネンさんです!
これだけで思い残すことなし! ヒルボネンさんに運転のアドバイスをしてもらえたら、もうラリー好きとしちゃ思い残すことありません! 緊張しながらタイムアタックする!
すると自分が最も苦手のジムカーナながら、2番手のタイムである。ヒルボネンさんに「上手ですね」と褒められた。この後に受験するドライバーはいないので、突如メディアという立場に変わり「運転してもらえないか?」と頼む。
するとどうよ!「いいですよ」だって。今回の試験車、競技車両じゃなくノーマルのGRヤリスRS。1500ccのFFだ。有名選手が競技車両を運転する隣は体験したことあるけれど、市販車はない。
どんな運転をするのか? はたまた私とどのくらいタイムが違うのか、大いに気になる。「じゃスタートしますね」と走り出すや、もう「参った!」「信じられない!」「凄い!」の連続!
ブレーキは踏み始めのタイミングと踏み終わってハンドルを切るタイミングが10cmとズレない。ハンドル切れば切ったで、タイヤが横方向に発生できるGの100%を使っている。
どうやったらこんな正確なドライビングが出来るのか想像すらできないです。心底たまげたのはそのタイム。私のベストである1分4秒35秒に対して1分2秒27と2秒以上も速い!
WRCラリージャパンのように同時スタートなら、完全にちぎられたっていう差です。競技車両じゃなく市販車のタイム差ですよ!
この時点で「WRCドライバーは無理ですね!」とハッキリわかった。いわゆる「引導を渡された」というヤツです。
ヒルボネンさんによって私は成仏できました(笑)。ピットに戻ってそんな話をしたら、悲しいことに「最初からチャレンジプログラムに残すつもりはありません」だって。確かに25歳以上は対象外。
昨年のこともあったので「体験させてみましょう」になったそうな。なんとも粋な計らいと感謝。
いずれにしろヒルボネンさんの隣で私は成仏している。ただこういった環境で才能ある人がドライビングスキルを身につければ、勝田選手のようなドライバーに育つ可能性は充分あると思う。
やはり超一流のドライバーと一緒に学ぶという体験は得がたい。
2024年にGRヤリス ラリー2で本格的な参戦を開始する第二期生の2人、小暮ひかる選手と山本雄紀選手の活躍を含め『TGR WRCチャレンジプログラム』の今後に注目したいと思う。
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コメント
コメントの使い方年齢的に参加資格が無くても、同じ土俵で競ってみたいというバイタリティとタイム二位の技術には、心から尊敬します。
コネ利用での特別待遇で、選考委の方々には多大な迷惑を掛けたでしょうけれど、職業柄、それを応援記事という形で恩返しできる立場ですから頑張って頂きたいと思います。
それにしても粋な計らい、羨ましい贅沢な体験ですね。