WRCドライバーへの虎の穴「チャレンジプログラム」!! 65歳国沢親方最後の挑戦の結果はいかに

WRCドライバーへの虎の穴「チャレンジプログラム」!! 65歳国沢親方最後の挑戦の結果はいかに

 ラリーシーズン到来、もうすぐWRCがモンテカルロで開幕する。そして、昨年12月勝田貴元選手に続くWRCチャレンジプログラム3期生として世界を目指す2人が選ばれた。いったいどんな選考が行われているのか?

 WRCラリージャパンを19位で完走し、意気軒高な国沢親方は去る2023年9月に富士スピードウェイのショートコースで行われた選考テストに応募。ガチで10代20代のヤングドライバー相手に奮戦した。

文:国沢光宏 /写真:西尾タクト、TOYOTA GAZOO Racing

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■勝田貴元選手に続け! WRCチャレンジプログラム3期生が決定

2024シーズンのWRCを走るGRヤリス ラリー1ハイブリッドはマットブラックのカラーリングとなる。黒には負け嫌いの速さともっといいクルマづくりの進化の意味が込められているという
2024シーズンのWRCを走るGRヤリス ラリー1ハイブリッドはマットブラックのカラーリングとなる。黒には負け嫌いの速さともっといいクルマづくりの進化の意味が込められているという

 勝田貴元選手に続くWRCドライバーを育成するWRCチャレンジプログラムの合格者が発表され、松下拓未さんと後藤正太郎さんの2人に決まった。

 約70名の応募者の中から富士スピードウェイの1次選考、2次選考を経て6人がフィンランドにわたった。

 その後、ラップランドで最終選考が行われ、フィジカルテストに加えて5日間の雪上と氷上テストを経て世界と戦えるドライバーになる可能性を秘めた2人が選ばれた。

 松下さんは大学院を、後藤さんは大学を今春卒業予定で、それぞれ一流企業に内定が決まっていたが、二人はラリードライバーになる大きな決断をした。

 彼らは2024年1月からトレーニングを開始し、春にはフィンランドに拠点を移し、夏以降にFFのラリー4車両でフィンランドや欧州のラリーに参戦することになる。

 WRCドライバーになると決めた二人にエールを送るとともに、いつか直接話を聞きたいと思う。

 さて、富士スピードウェイの第一次選考はどんなものだったのか? 国沢親方の挑戦記をお届けしよう。

■WRCへの想いは負けない! 国沢親方の熱き挑戦

 やはりWRCを盛り上げるには日本人ドライバーが必要だと思う。実際、ラリージャパンにおける勝田選手の人気たるや驚くほど!

 そんな勝田選手はWRCで活躍する若手日本人ドライバーの発掘&育成を目的とした『TGR WRCチャレンジプログラム』の1期生である。

 TGR(トヨタガズーレーシング)としても次の世代の育成もしたいと思っているのだろう。2021年2期生の募集を行った。

 募集要項を見ると意外や意外! 年齢制限について書かれていない! 早速問い合わせてみたところ「特に設定していません」という。そんじゃ応募だ! ということで申し込む。

 書類選考の第一次選考はクリアし、富士スピードウェイでクルマに乗って第二次選考を行う予定だったものの、新型コロナにより中止。リモートの面談による第二次選考を受けたが落選しました(泣)。

 クルマに乗せてくれたら少しは違う結果になっていたと思う。となれば次回こそ! と待っていたら3期生の募集を行うというリリースが出た! 早速書類を取り寄せてみたところ「う~ん!」。

 昨年は年齢制限していなかったためジジイが応募してきたということなんだろう。25歳までに限定されてしまった。となればコネだ! 太い太いコネを辿り「そこをなんとか!」と頼む。

 太い太いコネだけあり「第一次選考会を2023年9月20日に富士スピードウェイで行いますので来てください」。

 当然ながら応募してきた若手に混ざって選考を受けるのかと思いきや、私だけ午後になるという。もはや裏口合格か!?と思いながら、応募してきた若手に話を聞く。すると興味深い!

 今までの実績にこだわらず、応募者全員が第一次選考を受けることができたのだった(昨年までは書類選考があった)。

 大学の自動車部でジムカーナに出場し優勝した経験を持つ若手がいれば、初めてタイムアタックするという文字通り普通のクルマ好きもいる。

 選考会のために仕事を終えて徹夜で走ってきた若者に聞いたら「今までこういった経験をしたことがないので、ワクワクします」と話してくれた。

考えてみたらWRCで9連覇したローブは元体操選手だった。クルマの運転って練習より才能というケースが少なくない。

 若手に機会を作ることって素晴らしいと思う。タイム計測は富士スピードウェイのショートコースにパイロンを設置して作った特設コース。ジムカーナに限りなく近い。

 応募してきた皆さんの走りを見ると、やはりジムカーナ経験者が圧倒的にいいタイムを出している。第一次選考は2日間行われるのだけれど、それぞれの上位3番手までのタイムを出すと第二次選考に進むことになる。

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