GRヤリスがド派手デモラン!! グループ再建に向けモリゾウさんが取った行動とは?

■日野、ダイハツ、トヨタ自動織機に立ち上げた「自主研グループ」

同乗走行では運転しながら積極的に話しかけているという。モリゾウさんにとっての「現場」なのだ
同乗走行では運転しながら積極的に話しかけているという。モリゾウさんにとっての「現場」なのだ

 モリゾウさんは認証不正問題が発生した、日野自動車、ダイハツ工業、豊田自動織機の3社に、認証工程に関するモノと情報に加え、どんな能力が必要なのかを整理する「自主研グループ」を立ち上げ約3カ月にわたって活動するという。

 「自主研」はトヨタの生産調査部が音頭を取り、TPS(トヨタ生産方式)を極めるために30年前以上前から活動していて、自主的に研究しているからその名がある。

 モリゾウさんは株主総会に出席し、「自主研グループ」の成果について質問するという。現場を重視し、現場を変えることで、組織を、経営のあり方を少しずつ変えていこうというモリゾウさん流のガバナンスだ。

 BtoBのグループ会社は機能軸でしかものを見ることができなくなっていたのではないか?

 言い換えれば、グループ各社に安く速くということだけに目を向かせてしまったという反省のもと、モノづくりの基本である顧客目線に立ち返ることを考えるきっかけにしたいという狙いもあるはずだ。

■14年間社長を経験したリアリスト

GRヤリス ラリー1で大迫力のドリフトを披露しファンを魅了した
GRヤリス ラリー1で大迫力のドリフトを披露しファンを魅了した

 モリゾウさんは現場に主権があり、現場からいいモノ作りへの改革が始まることに期待しているが、その反面それほど簡単ではないこともわかっている。モリゾウさんはこんな話をしている。

「人は誰しも裏表があると思います。私が現場に行くと、現場は『今日はいい日だった、努力してもっといいクルマづくりをしよう』と思うかもしれません。

 でも翌日には現実に戻り、日々に追われるままになってしまうことがほとんどです。でも私は次に会った時も同じように接します。そして、その次も。私が3回同じように接すると、人は驚くとともに変わり始めます。

 大体1年に一度現場で会うことができるかどうかですから、何かを変えようするには、最低3年かかると思っています」

 この話を聞いて社長時代の14年をかけて、トヨタらしさ、モノづくりに真摯に向き合う姿を取り戻すために戦ってきたというモリゾウさんのリアリズムにこちらの背筋が伸びる思いだった。

 トヨタグループ各社の再建は現場で働く人たちの意識が変わらなければ成し遂げられない。

 そのことが誰よりもわかっているからこそ、責任者として立ち上がった。会長になって1年、グループ各社を訪問することはトヨタ自動車本体が健全かをチェックすることにもつながるはずだ。

 「14年かけて作り上げてきたものでも、手を抜くと1年もたたずに壊れてしまいますから」と常日頃モリゾウさんは語っている。

 孤独であろうし、苦悩もあるに違いないが、そんなことはおくびにも出さずにGRヤリス ラリー1をデモランし、ファンに笑顔を届ける姿は、とても形容しがたいものだった。

【画像ギャラリー】GRヤリス ラリー1が大暴れ!! 新城ラリー大感謝祭の様子をギャラリーでチェック(6枚)画像ギャラリー

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