さる2月11日新城ラリー大感謝祭に参加し、GRヤリス ラリー1でデモランをするなど大いに盛り上げたモリゾウさん。その一方で、トヨタグループビジョンが発表され、グループ再建に向け、具体的な行動をとり始めたモリゾウさんの姿をレポートしたい。
文・写真/ベストカーWeb編集部
■2月上旬アイシンのテストコースを訪れた
2012年のTRDラリーチャレンジ(現在のTGRラリーチャレンジ)新城大会がモリゾウさんにとってのラリー初出走だ。全日本ラリーが併催され、モリゾウ選手は86でドーナツターンを披露し、ファンを沸かせた。
その全日本戦新城ラリーが2023年に終了、今年からは三河湾ラリーが開催される。ラリードライバー・モリゾウを育ててくれた新城市のファンとボランティア、オフィシャルの皆さんへの感謝を言葉に加えてデモランで表した。
派手なデモランを披露し、笑顔を惜しまないモリゾウさんだが、1月30日に発表されたトヨタグループビジョンが発表されて以降、多忙を極めている。トヨタの社長を務めた14年間がそうだったように、現場に主権を取り戻すためにトヨタグループ各社への訪問を始めているからだ。
一例を取り上げると、モリゾウさんは2月上旬北海道豊頃町にあるアイシンのテストコースを訪れた。アイシンはBEVに欠かせないeアクスルやハイブリッドのトランスミッション、回生協調ブレーキシステムなど幅広く自動車部品を製造するトヨタグループの企業だ。
モリゾウさんはアイシンの社員をGRヤリスの助手席に乗せ、雪のテストコースをドリフトしながら、どこの部署なの?と語り掛ける。
最初は緊張していた社員も、モリゾウさんの言葉に応えて会話が進んでいく。そして、モリゾウさんは何か困りごとがあればトヨタの○○に連絡とってください。とつないでいく。
モリゾウさんが来てくれただけでもうれしいアイシンの社員はトヨタの担当者を紹介される。彼らがトヨタの担当者と忌憚のない意見を交わすことができれば、「もっといいクルマづくり」に参加していることを実感することができるはずだ。
アイシンの社員はモリゾウさんに「ありがとうございます」と感謝を伝え、モリゾウさんも「こちらこそありがとう」と言い返す。そこにトヨタとグループ会社の垣根はなくなっているはずだ。
不正が相次いだトヨタグループの進むべき方向性を示したトヨタグループビジョン「次の道を発明しよう」を発表した際に、モリゾウさんが最も重視したことが、現場が遠慮することなく何を言ってもいいという雰囲気を作ることだった。
ではその雰囲気を作るにはどうすればいいのか? アイシンの一件はモリゾウさんが現場におり、プロデュースし始めたと考えることができる。
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