自己資金を投入してマシンをシュコダR5(通称”シュコダ丸”)に今季からスイッチした新井大輝選手。本番がほぼぶっつけ本番、しかも高価なパーツは不調だし、ブーストはあんまりかけられないし……。せっかくのニューマシン(中古)もなかなか厳しい船出だが、いったい全日本ラリー初戦はどうだったのよ!!!
文:新井大輝/写真提供:新井大輝・西尾タクト
■勝ちたくても全力ではいけないのよ!!!
悔しい! 我がシュコダ丸が負けてしまった! おめでとうルーキーレーシング! という訳でラリー三河湾は新型のGRヤリス Rally2に完膚なきまでに叩きのめされてしまった訳ですが、諦めの悪いアライさんは次戦のラリー唐津へ向けてシュコダ丸のレストア事業に余念がありません。
今回最大の懸念事項は駆動系(”超高額”ミッション+”高額”ドライブシャフト)の爆発四散で、これ以上壊れて他に(お財布)ダメージがいくとマジで今期の活動が終了してしまうので、最後までノーダメージで帰って帰還し、次戦へ向けてレストアを加速させることに専念できることは良かったです。
もちろん部品が間に合えば! 間に合ってくれ頼む! こんなギリギリでメンテナンスするのはもうイヤだ!!!!!涙
とりわけ今回の三河湾ラリーは“色々”と大変でした。初めのSSS1からSS4までが実質的なシュコダ丸のシェイクダウンとなったので、無理は御法度でした。しかし三河湾の道はそんな初心者メンタルのアライさんへ牙をむくが如く、前日には雨が降り、風と雨で湿気を含んだ泥や枯葉が容赦なく襲い掛かりました。
ラリーには欠かすことの出来ないローンチコントロールの設定方法も前日にR5のユーザーマニュアルを見て覚えました。さながら期末テスト前日の中学生です。その頃から一夜漬けで勉強して臨むスタイルだったので、30歳になっても”これ”かと少し悲しい気持ちになります。
■猛者も「ビビり散らかす」ぶっつけ本番
SS1は特にビビり散らかしていたので6kmで17秒ぐらいトップから離されてしまい、内心「やべぇーーーーーどうしよーーー念願のマイホーム買ったのに…(放心)」となっていたのは恥ずかしいので内緒にしといてください。
心のなかで30歳の「リトルアライ」と相談しながら、まだブーストを弱い状態(5段階の下から2番目)で走っているから大丈夫と言い聞かせていました。駆動系は2000km走ったら交換するパーツを交換せずに計点越えしているので、ぶっちゃけいつ壊れてもおかしくないような状態だったのでした。
すでに2速ギヤのギヤ鳴りがパチンコ屋の店内よりうるさかったので(車内ではコドラと会話できない)、ブーストを上げて戦うのはリスクが高いと判断しました。なので、そもそもブースト上げて戦う選択は既にこの段階でなかったです。
しかしSS2でベストタイムが出たときは、おやおや? これはイケるのでは? と単純な思考回路なのですぐにテンションが爆上がり。道幅が広い900mほどのスプリントステージだったおかげもあって少しR5の特性を再認知するには良い機会でした。
割と早い段階で何となくシュコダの走らせるイメージがリンクしてきたので、サービスでセットアップの変更をすることに。しかし準備していたバネが錆び錆びで刻んである筈のバネレートが何も分からないというトラップが発動してしまい、メカニック総出で確認する羽目に。ラリー期間中に謎謎を解くことになり、ラリーとは全く違うところで大変苦労しました。
それぐらい事前準備の時間なかったの! 許して!!
兎にも角にも今回は次戦へ繋げていく上でも車両へのダメージは極力ゼロで終わらせたいという思いもあったので、攻めるフリをして守る。一見ややこしい運転をしていました。2日目は完全にセットアップが道に合わずに安全モリモリで運転し、無事に負けてしまいました。
悔しいのであと3日間ぐらいは凹んでいるので街中で見かけたら優しい言葉をかけてあげてください。喜びます……。
【画像ギャラリー】壊さないようにしつつも……ガチで攻める!! ヒロキさんの挑戦に注目だぜ(9枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方