スポーツセダンの本命、新型 BMW 3シリーズの日本仕様がついに正式発表! 通算7代目となる新型の日本発表会が1月30日に都内で開かれ、同日先行受注をスタート。3月9日からいよいよ発売開始となる。
発表会檀上では「日本では(国産の)セダン市場が縮小しているなか、その代替で(3シリーズを)買い求めるユーザーも多い」というコメントも聞かれたが、調べてみると2012年登場の現モデルは、2013年に年間1万8739台、新型登場を控えた2018年でも年間7997台を日本で売り上げている。
「最近、魅力的な国産スポーツセダンも少ないし……」という日本のユーザーの叫びを物語るような数字だが、今や日本で買える正統派スポーツセダンの筆頭候補となった3シリーズは新型でどのような進化を遂げたのか? 明らかになった日本仕様のバリエーション、価格などを詳しくレポートしたい。
文:ベストカー Web編集部
写真:奥隅圭之
注目の日本仕様は2Lガソリンターボのみでスタート
新型の紹介をする前に、まずは従来型のバリエーションをざっと振り返っておきたい。従来型3シリーズの日本仕様は、1.5Lと2Lのガソリンターボ、そして2Lのディーゼルターボという3種類のエンジンを軸に、直列6気筒ターボエンジンを搭載した「340i」などもラインナップしていた。
このうち注目の新型は、まず2L直列4気筒ガソリンターボエンジンモデルのみを先行導入。高出力版の「330i」と、それより若干出力が控えめな「320i」というパワーが違う2種類のエンジン仕様に応じてグレードを設定している。
なかでも注目は海外仕様にない「320i」の方。現時点では日本専用という同モデルの最高出力は184ps、最大トルク300Nmというパワー&トルクで、「330i」のそれより74ps、100Nmほど低いスペックながら、欧州より平均速度が低い日本の道路環境を考慮し、いち早く日本だけに先行導入されたモデル。「330i」より安価な価格設定(後述)もポイントだ。
さて、取り回しやすさも左右する注目のサイズは全長が4715mm、全幅は1825mmと従来型比でそれぞれ拡大。55kgの軽量化やホイールベースの拡大と合わせて、走りと居住性の向上が期待できる半面、1800mmちょうどだった全幅の拡大には「(僅か25mmとはいえ)3シリーズも大柄になったなぁ」というのが正直な印象だ。
そして、新型の大きなトピックとして予防安全性能も強化されている。自動ブレーキなどに用いる3眼カメラシステムはBMWの日本販売モデルとして初採用。これによって、従来以上に長距離の危険予測やワイドな視野角度での危険予測も可能になるという。
気になる価格と売れ筋グレードは?
さて、注目の価格はどうか? グレード構成は下から順に「320i SE」、「320iスタンダード」、「320i Mスポーツ」、そして「330i Mスポーツ」の全部で4つ。
唯一の400万円台グレードとなる「320i SE」は、緊急自動ブレーキや先行車追従型のクルコン(ACC)などが装備されず、しかも受注生産モデルのため、実質的なスタートグレードはその上の「320i スタンダード」からといったイメージ。
そして、BMWが売れ筋と目論むのが「320i Mスポーツ」だ。BMWジャパンによると「従来型では最も売れ筋だった」という同グレードは、先述の自動ブレーキやACCはもちろん、標準車と比べて10mmローダウン+ハードなダンパーセッティングの「M スポーツ・サスペンション」やクロスレシオ化された8速スポーツATなども標準装備する“本命グレード”。
それでいて価格は従来型の320i Mスポーツと据え置きの583万円に設定したというが、この価格は、モデルとしては古くなってしまったレクサス IS300hのFスポーツ(569万4000円)やアウディ A4の2.0 TFSIスポーツ(556万円)、ベンツC200アバンギャルド(552万円)あたりとバッティングする価格。
ややキャラは異なるものの、国産セダンではクラウンやスカイラインの最上級グレードを狙っているユーザーにとっても視野に入る。BMWとしても“ギリギリ500万円台以内の価格”は日本市場を見据えて意識的に設定したようだ。
■新型 BMW 3シリーズのグレードと価格
・320i SE/452万円 ※受注生産
・320i スタンダード/523万円
・320i Mスポーツ/583万円
・330i Mスポーツ/632万円
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