【新型フィット5種の仕様で王座奪還なるか?】ホンダ本命の武器と最適解

リラックスできる雰囲気が魅力のホーム

ベーシックをベースにインテリアなどにこだわりを盛り込んだモデルがホームとなる。このホームがフィットシリーズの主力で最量販モデルとなるだろう

「ホーム」はベーシックに、プライムスムースとナチュラルテキスタイルのシート生地を使ったコンビシート、プライムスムースを使ったインパネなどのソフトパッド、本革巻きステアリングホイールなどを加えた。

 内外装はベーシックよりも上質で、なおかつリラックスできる雰囲気を備えることが特徴だ。

 新型フィットはクロスターを除くとフロントグリルが薄型になり、精悍な雰囲気を抑えて柔和な印象を強めた。この新しいフィットのキャラクターを象徴するのが、主力グレードのホームだろう。

 機能的にはベーシックで十分だが、もう少し潤いや情緒が欲しいユーザーに適する。前述のようにリラックス感覚が漂うため、日常的な買い物などに使うと、クルマで出かけるのが楽しくなりそうだ。

現行フィットとはデザインコンセプトがまったく異なる新型のインテリア。ホームのインテリアの色遣いはオシャレで性別を問わず人気が出そう

リュクスは小さな高級車!?

「リュクス」は、質感をさらに高めたプレミアム感覚のグレードだ。シートの生地に本革が使われ、インパネにはソフトパッド、本革巻きのステアリングホイールも備わる。内装色はブラックのほかにブラウンも用意した。

 外観ではプラチナ調クロームメッキ・フロントグリルモールディング、同じくプラチナ調クロームメッキ・ドアロアーガーニッシュなどの装飾が加わる。ホイールは16インチになり、走行安定性と併せて乗り心地も重厚感が増して上質だ。アルミホイールのデザインもリュクス専用で、上質な仕上がりを見せる。

新型フィットのプレミアム部門を受け持つのがリュクスで、中高年齢層、上級モデルからの乗り換え組などもターゲットとしている

 内外装の質を高めたリュクスには「小さな高級車」風のイメージもある。実用性の優れたフィットだから幅広いユーザーに適するが、シビックやアコードのような上級セダンからのダウンサイジングにも対応できる。

 内外装が上質で、なおかつ落ち着いた雰囲気だから、中高年齢層のユーザーにも似合うだろう。

「運転のしやすいコンパクトカーに乗り替えたいが、カジュアルなデザインは避けたい。小さくてシックなクルマが欲しい」と考えるユーザーにも向いている。

 ちなみに以前は日産ティーダが上質なコンパクトカーとして人気を得ていたが、今は廃止された。そこでノートにメダリストを設定したが、少々物足りない。その意味でもフィットリュクスは注目される。

 新型ヤリスやマツダ2も上質だが、この2車種は後席が狭い。フィットの後席は広いので、上質なリュクスであれば、ミドルサイズセダンのような感覚で4名乗車の用途にも使える。

ヤリス(写真)、マツダ2ともプレミアムコンパクトを標榜しているが、フィットにはリアシートが広いという大きなアドバンテージがある

ほかの4つとは一線を画すクロスター

「クロスター」は内外装をSUV風に仕上げたグレードだ。フリードのクロスターは足回りのセッティングをほかのグレードと変えていないが、フィットでは最低地上高を30mm高くした。

「サスペンションの変更で20mm、タイヤサイズで10mm拡大させ、最低地上高を合計30mm持ち上げた」(開発者談)

シリーズで最もエクステリアの違いがわかりやすいのがSUVタイプのクロスター。デビュー前から注目度が高く爆発的人気となる可能性も高い

 外観では専用デザインのアルミホイールに加えて、樹脂製ホイールアーチプロテクター(ボディ側面に装着されたブラックの縁取り)、ボディの前後をガードするような形状の前後バンパー、クロスター専用フロントマスクなども装着した。オプションではルーフレールも選べる。5つのシリーズの中で、最も外観の変化が大きい。

 クロスターは最低地上高に余裕があるので、悪路のデコボコも乗り越えやすく、シート生地やソフトパッドは溌水タイプとした。キャンプなどのアウトドアライフを楽しみたいユーザーにピッタリだ。

 また本格的なSUVよりも運転しやすいので、一種のファッションとして街中を中心に使っても楽しい。

フィットシリーズの中でほかの4タイプとはひと目で違いがわかるのもクロスターを購入する動機になる。ライバルはフリードクロスターか!?

 最低地上高に余裕があるから、道路と駐車場の段差が大きな場所でも、下回りを擦る心配はない。最低地上高を高くしたことで、着座位置も適度に持ち上がるので、乗り降りもしやすくなった。クロスターは市街地での実用性も意外に高い。

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