なにこれかわいい!! 登場直前ホンダeに集まる期待と募る不安

 今年(2020年)ホンダが用意する新型車は、2月の新型フィットと秋のN-ONE、それに小型EVの「ホンダe」がある。2019年9月のフランクフルトショーで世界初公開され、同時に欧州の一部で予約を開始(英国でのベース価格は約2万6000ポンド/約350万円)。翌10月に開幕した東京モーターショーにも出品され、2020年内での日本発売も公表された。

 このホンダe、本当に2020年内に発表されるのだろうか? 発表されるのであれば、そろそろディーラーに情報が回っているのではないか? 新車ディーラーに詳しい流通ジャーナリストの遠藤徹氏に、ホンダeの新型車情報について取材していただいた。
文:遠藤徹 写真:HONDA

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■2020年11月に発表予定

 ホンダ初の量産電気自動車「ホンダe」は今秋の11月頃の登場が有力になっている。現時点で各ホンダ販売店には「11月頃」と通達されているが、新型コロナウイルス感染拡大の行方次第ではさらに先送りになる可能性もありそうだ。4月中旬現在では少しずつ新しい情報が流れるようになっているが、全容が明らかになっているわけではない。

2019年の東京モーターショーでホンダブースの主役であった「ホンダe」。初代シビックのようなキュートなデザイン

 ただ基本的には昨秋(2019年11月)開催した第46回東京モーターショーに参考出品したプロトタイプとほぼ同じ内容で市販に踏み切られる見込みである。

 丸っこいキュートなエクステリアデザインはほぼそのまま市販バージョンに活かされる。ボディパネルの丸みは丸目の2灯式LEDヘッドランプと両眼を囲む横長の楕円型グリルデザインやこれとほぼ同じデザイン処理のリヤのコンビランプにも連動させており、ひと目で「ホンダe」と分かる外観である。パールホワイトのボディパネル色とルーフがブラックの2トーンカラーはテーマカラーとしてかわいらしさや清潔感をアピールすることになる。

リアデザインも非常に特徴的。後輪駆動で走行性能は「とてもホンダらしい」という下馬評

■室内は新型フィットと同程度の広さ

 ボディサイズは全長3900mm弱、全幅は1750mm、全高1500mm、ホイールベース2500mm程度で、現行フィットの3995×1695×1515mm、2530mmに比べ100mm程度短く、3ナンバーサイズで幅広いレイアウトを採用。ホイールベースがフィットと同じくらいだから、室内は同程度の広さを確保しているといえる。全長が短いのは前後ボディパネル一体型カラードバンパーのデザイン処理の違いによるものであろう。室内はダッシュボードやコンソールボックス回りにウッド調のブラウン系の色調でソフトな雰囲気を強調した仕立てでまとめている。

内装のデザインもある程度公開されている。写真はプロトタイプだが、助手席まで伸びるインストルメントパネルはモニタータイプになるもよう

 プラットフォームはEV専用で平らなリチウムイオンバッテリーを床一面に配置するレイアウト。フロントにはインバータ、車載充電器、リヤにモーターを搭載することで、前後の重量配分を50:50の理想的なバランスを実現している。

リビングのような室内空間を目指して開発中とのこと

 後輪駆動方式を採用し、4輪独立サスペンションとの組み合わせで、EVでは考えられないハンドリングの良さが売りとしている。コンパクトなボディと前部のショートオーバーハング、後輪駆動による前輪の切れ角が驚異的な小回りの良さの実現に繋がっている。モーターは3Lガソリンを上回る高トルクを発生、スタンダードとハイパワーの2タイプを設定。ハイパワーのスポーティなチューニングはスポーティな走りを楽しむことができるという。

■弱点は価格と航続距離か

 1回での充電による航続可能距離はWLTCモードで200km以上の達成を目指して開発を進めており、高効率なシティコンパクトモデルをアピールする。30分で約80%の充電が可能な急速充電装置も設定する。装備面で特徴的なのはコンパクトクラスで世界初のサイドカメラシステムの採用だ。側方視界をよくすることのほか、空力特性が向上し、燃費低減にも寄与している。車両本体価格は350万円程度の設定となりそう。充電設備は設置費用を含め10万円程度が予想される。ホンダカーズ店の充電設備設置は当面1法人一台の700台程度でスタートし、将来的には全店舗設置(2000台程度)まで拡大する予定としている。

ホンダディーラーで急速充電器を設置予定だが、充電プランについてはまだ明らかになっていない。日産リーフと同じようなプランをホンダが用意するのであれば、安価な充電カードを年間契約することができる

 日産のリーフはホンダeよりもひと回り大きく、車両本体価格は332万6400~498万8400円、航続距離は300kmを超えている。こちらは月販台数は最近1500台程度で推移している。発売後10年以上が経過しており、このレベルではもの足りない印象がある。ホンダは当面月販1000台程度を目指すそうだが、リーフより割高なうえ、ボディも小さく、航続距離も短いから、リーフ並みかそれ以上の量販にこぎつけるのはかなりの努力が必要になりそうだ。

※証言「価格が高すぎる」首都圏ホンダカーズ営業担当者

 ホンダ初の量産型電気自動車「ホンダe」が年内に発売されるというのはメーカーのホンダから通達が来ているので承知している。ただ新型コロナウイルスの感染拡大が問題になっているので、そちらの動向によっては先送りされるかも知れない。デザインが秀逸で話題性もあるので発売が楽しみだが、販売台数は期待できないと予想している。可愛らしいデザインだが、航続距離は200kmと短いし、価格も高過ぎるようだ。これだと日産のリーフの方が実用性はある。販売施策次第では売れるようになるだろうが。

 扱いモデルとして持っているというイメージの良さでは多少メリットはあるといえるだろう。

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