■次期型マツダ6、CX-5にFR+直6を採用
マツダが今後の商品開発計画として重視しているのが「Largeアーキテクチャー」と呼ばれるD〜Eセグメントプラットフォームだ。
次期型マツダ6がそのフラッグシップとして、これまでも情報をお伝えしてきたが、縦置きパワートレーンプラットフォームを新開発。これに組み合わされるエンジンは直列6気筒が新開発されている。SKYACTIV-Xはもちろん、第2世代となるクリーンディーゼルも、この直6エンジンにはラインナップされることになる。さらに48Vマイルドハイブリッドは当然だが、PHEVへの展開もある。
従来、エンジン全長が長くなる直6は衝突対応が難しいとして数を減らしてきたが、モジュラーエンジン化の流れの中で、排気量を拡大するには2L直4に2気筒追加することで直6、3Lとすることのメリットが出てきた。
特にSKYACTIV-Xでは、1気筒当たりのシリンダー容積、ボア×ストローク比、燃焼室形状などがとても重要なファクターとなっており、2.5L以上の排気量を求めるには多気筒化の必然性があるという。
また、直6エンジンはV型に比べ、全長は長くなるいっぽう、横幅はスリムなので、過給機や排ガス対応に必須の大型キャタライザーのスペース面でも有利というのが最近の技術的潮流。全長も、最新設計技術や素材の進化でボアピッチを詰めることが可能となり、大幅に短くできるのだ。
直6縦置きFRとすることで、D〜Eセグにふさわしい上質なドライブフィールを手に入れられるという効果ももちろん大きい。世界的にみても、やはりこのクラスの主流は縦置きパワートレーンの後輪駆動だ。
この流れの中で、次期型マツダ6とプラットフォームを共用して開発される次期型CX-5がFRベースとなるのは当然の結果といえよう。
「ベンツGLC、BMW X5に匹敵するプレミアムSUVになります」と、マツダ関係者は新型CX-5の目指すところを明らかにする。クーペSUVのCX-50もラインナップされる可能性がある。
■ロータリーはEVとの組み合わせで復活
マツダの丸本明社長は2020年10月8日、MX-30発表プレゼンテーションの場で、2021年1月、MX-30に欧州で先行発売しているEVを国内投入することを明らかにするとともに、2022年前半にはロータリーエンジンを発電用に生かしたレンジエクステンダーを順次市場投入することを明言した。
まずはMX-30で市販化されるということだが、このレンジエクステンダーEVが次期マツダ2に採用される可能性が高いという。実際、2013年に公開したレンジエクステンダーEVの試作車はデミオで、このサイズでこそ、そのメリットは本領を発揮する。
こうした、もてる技術資産を活用し、新たな時代に向けた意欲作を準備しているマツダ。これからのニューモデルに期待したい!
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