次期86は2021年春以降に発売見込み
公開された新型BRZの日本導入は未定としているが、86は対応が異なる。販売店筋には次期型についての大まかな日程が伝えられている。
「2021年の春以降にフルモデルチェンジして次期型を発売する」ようだ。内容は明らかになっていないが、パワーユニットは現行の水平対向2Lから新開発の2.4リッターに拡大される見込みである。つまりウェブサイトで公開された米国仕様と同じである。
米国仕様はSGPでインナーフレーム構造、アイサイトの採用などが盛り込まれている。これは今秋発表、発売になった新型レヴォーグと共通している。
86が新型になり、兄弟車のBRZがなぜ国内での導入が未定なのか。スポーツモデルに対する環境対応のスタンスの違いが背景にある。
新型BRZの日本導入は難しい可能性も
日本の2030年度目標の燃費基準は、総量規制で2016年度実績に対して32.4%、つまり約3分の1に削減しなければならないことになっている。
総量規制であるから、燃費の悪いBRZのようなスポーツカーでも、他の燃費の良いハイブリッドカー、プラグインハイブリッド、電気自動車などのモデルでカバーできれば生産販売は可能である。
したがってトヨタは次期型86の発売が可能であるが、スバルのように4WD、ターボなどの燃費の悪いラインアップが多い車種ばかりだとBRZの生産販売が現状ではできにくいという事情がある。米国では日本よりも規制が緩いので次期型の発売が可能になっているようだ。
【証言1:首都圏スバル店営業担当者】
BRZの現行モデルは今年8月に生産中止した。次期型の北米仕様がこのほど公開されたが、日本仕様の発売についてはまだ何も情報が入っていない。
スバルは4WD車が多く、ターボ車も多いので他社に比べると燃費規制への対応が難しい状況にある。ハイブリッドはモーターアシストのマイルド方式だからフルハイブリッドに比べると燃費対策では劣る。
こうなると2030年燃費基準をクリアするのが難しく、次期型BRZの国内向けは難しくなるかもしれない。今後電気自動車やフルハイブリッド車の投入、全体的な燃費改善が進めば、発売できるようになるかも知れない。
【証言2:首都圏トヨタ店営業担当者】
86の現行モデルは引き続き販売している。現時点での納期は2021年の2月下旬で、まだグレード、ボディカラー、オプションパーツの規制はかかっていない。
ただ、メーカー筋からは次期型の発売は来春以降という情報が入っているので、フルモデルチェンジが行われるのは間違いない。次期型は(エンジンを)2.4Lに排気量拡大すると聞いている。
トヨタはハイブリッド、プラグインハイブリッド車、燃料電池車、電気自動車などの環境対応モデルのラインナップを充実させつつあるので燃費基準の総量規制には対応し易い状況にある。
コメント
コメントの使い方