■次期ステップワゴンの発売は2022年4月頃、わくわくゲートは継続?
次期ステップワゴンの販売スケジュールは2022年1月下旬に商品内容が販売店に提示され、2月頃から営業担当者向けの商品説明会、3月中旬あたりから事前の先行予約の受付をスタートさせる見込みである。
現行モデルは年内いっぱいに受注生産した分を2022年1月末頃までに販売店にデリバリーされて納車される。したがって正味3ヵ月月程度ステップワゴンの販売が休止になるといえそうだ。
次期型はどんな内容になるかは、まだ正確に判明していないが今わかっている情報をすべてお伝えしていこう。
現行モデルの評価はライバルのノア/ヴォクシー、セレナに比べいまひとつ高くないので、かなり大幅なコンセプト変更が加えられるに違いない。
エクステリアデザインはオーソドックスなデザインから、直線と曲面を融合させた、若干シャープなシルエット仕立てとなりそう。
ノア/ヴォクシー、セレナは全幅が1700mm超えの3ナンバーのワイドボディを上級&スポーティなエアロバージョンとオーソドックスな1695mmの5ナンバーボディの2シリーズ構成で、幅広いユーザー確保に成功している。
現行モデルでは、標準、スパーダとも全幅は1695mmの5ナンバーサイズだが、1750mm程度の全幅に抵抗がなくなってきていることもあり、新型では標準は5ナンバーサイズを踏襲し、スパーダは1750mm程度に拡幅された3ナンバーの専用ボディが与えられる可能性が高い。
現行ステップワゴンのひとつの売りとしてリアゲートを立て開きのハッチと横開きのわくわくゲートを組み合わせ、長尺物の積載性を良くしている。次期型ではこれをどうするのか。
こちらの評価についてはさまざまな声がある。開閉時に半ドア状態になるなど、トラブルが多いうえにドアパネルを縦に切ったようなデザインはカッコ悪い、といった不評が多く聞かれる。一方で、左の半分近くが横開きになるので、長尺物の積載性が良く便利というプラスの評価もある。
こうした、これまでにない新しいものを作るというチャレンジ精神はホンダの特徴で、いいところでもあるのだが、今回のわくわくゲートはどうやら画期的ではあったものの、需要はそれほどなかったということだろう。次期ステップワゴンではわくわくゲートを廃止し、通常の縦に開閉するハッチゲートのみにし、リアデザインをすっきりと仕立てる案が有力になっている。
次期ステップワゴンのパワーユニットは2Lハイブリッド&1.5Lターボの改良モデルを引き続き搭載する。またハイブリッドはこれまでFF車のみであったが、次期ステップワゴンでは4WD車もラインナップに加える。これによってハイブリッド車の販売構成比はこれまでの60%からヴェゼル並みの80%台に引き上げるものと思われる。
ホンダは最近になってオデッセイ、レジェンド、NSXなど上級車種のモデル廃止を相次いで行っている。2022年中盤にはシビックにハイブリッド車を設定すると同時にタイプRを設定することに合わせて、ハイブリッド専用モデルの「インサイト」を生産中止する方向で検討している。どちらも1.5Lハイブリッドユニットの搭載で競合するだけでなく、インサイトが極端な販売不振になっているためと思われる。
どちらにしてもホンダの最近の国内向けの4輪車の商品戦略を見ると、国内軽視のスタンスが伺える。グローバルでの電気自動車を中心とした電動化の流れのなかで、主軸市場である米欧のニーズに合わせた、4輪車戦略の推進が必要で、海外に先行投資することを優先させ、国内は多少手を緩めざるを得ない状況にあるのかもしれない。
当面国内はミディアム、コンパクト、軽自動車のラインナップ重視で対応し、態勢が整ってから上級モデルの再構築に再チャレンジする腹づもりであると思われる。
こうしたホンダのスタンスを販売現場であるホンダカーズ店各社はどう見ているか?
「販社にとっては扱う車種が多いほど商売がやりやすいので、車種の削減はしてほしくない。特にオデッセイはビッグマイナーチェンジした現行モデルの人気が高いだけに惜しい。フルモデルチェンジすればもっと売れるようになるのにホンダの決断は理解できない。ただレジェンドやNSXは滅多に売れないのでやむを得ないと思う。全般的にはもっと積極的に新型車を早く投入してもらいたいものだ」。ホンダカーズ店の現場ではこのような意見が多く聞かれた。
たしかに、フリード、ヴェゼルは販売好調だが、国内新車販売4年連続NO.1、軽販売6年連続NO.1を誇るN-BOX頼みという状況。フィットも予想外の販売イマイチという状況のなかで、かつてベストセラーだったステップワゴンの復権は急務だ。新型ステップワゴンが登場する2022年4月頃が待ちどおしい。
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