■スモール&BEV and more! マツダ2030年までのモデル戦略
マツダのスモール商品戦略は電動化が中心。2030年までの計画は左に示したとおりで、これはマツダが中期経営計画として発表しているもの。まもなくロータリーエンジンを発電専用に使うシリーズハイブリッドとPHEVが正式デビューを果たす。
●2025年までに
・ハイブリッド5車種
・プラグインハイブリッド5車種
・電気自動車3車種を世界市場に導入
●2025年から2030年までに
・複数の電気自動車を世界市場に導入
搭載車種はMX-30となり、今年秋から来年春にはマツダ2がフルモデルチェンジして同様の電動ロータリーユニットが積まれるという情報もある。2030年にはマツダのクルマは100%電動車となり、そのうちの25%が電気自動車(BEV)という計画だ。
Cセグメントまでをカバーするスモール商品群は直3および直4の横置きガソリンエンジン(SKYACTIV-G&X)に24Vのマイルドハイブリッドを組み合わせたものが主力となり、これにロータリー電動車とBEVが加わる。
BEVに関しては、さまざまな車格とボディタイプに対応できるSKYACTIV-EV専用スケーラブルアーキテクチャーを2025年以降に投入し、効率よくBEVラインナップを増やす。
また、実質的CO2ゼロとされるバイオ燃料、合成燃料、水素燃料も視野に入れながら2050年のカーボンニュートラルを目指す。もちろん、マツダ・コ・パイロットやコネクテッドシステムも進化させる。
■トヨタと共同開発の可能性も浮上!? ロータリースポーツ復活のシナリオ
ハイブリッド用の発電専用エンジンとしてロータリーエンジン(RE)が使われるのは周知の事実だが、駆動用エンジンとしてREが復活するという噂も今なお根強く残っている。
RX-8が消滅してから絶えて久しいマツダロータリースポーツのことだ。
このロータリースポーツを、仮にRX-9という車名で話を進めると、これまで入っていた情報では、水素を燃料とするREが有力だった。しかし、ここにきて新たな展開を見せている。トヨタとの共同開発でRX-9が計画されているのではないかというのだ。
今年の東京オートサロンで公開されたトヨタのGR GT3コンセプトがその根拠。それが2015年の東京モーターショーでマツダが出したRXビジョンそのもののデザインだったからだ。
前後の意匠とルーフラインは変えられているものの、全体のプロポーションは「同じ」としか言いようがないもの。
GR GT3はレーシングカーだから一見わかりにくかったが、ゲームの「グランツーリスモSPORT」に収録されていたRXビジョンGT3コンセプトと対比させると明らか。
フロントフェンダーにあるエアダクトの位置も統一されており、両車は同じクルマなのだ。
飾られていたGR GT3はモックアップモデルで中身に関するアナウンスはまったくなかったが、逆にそれゆえREを搭載する可能性を示しているとも言える。
コンセプトカーとはいえ、マツダが作ったロータリースポーツを、トヨタが別のクルマとして公開しているという事実は注目に値する。RX-9に関して両社の間でなんらかのプロジェクトが進行していることは間違いないのだ。
マツダは「e-SKYACTIV R-Energy」を商標登録している。新しい燃料を使ったREを指していると思われ、やはり水素REの実用化を計画していることがわかる。
そもそもマツダのラージ商品群で使われるFRシャシーはトヨタとの共同開発であるとの噂も根強く、両社の結びつきは思いのほか強いものがあるのだ。
マツダ単独では難しいRX-9の開発も、トヨタと組むなら実現可能性は高まる。ロータリーファンにとってはいい動きだと思うのだが、どうだろう。
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