■北米市場へ狙いを定めての直6FR戦略 SUVだけで開発費を回収できるのか?
そもそもマツダが直6FR戦略を始めたのは、北米市場で確固たる地位を築くためだ。
販価が高く、利益率の大きなモデルを作らなければ生き残りは難しい。その危機感から思い切った勝負に出たわけで、端的に言えば、マツダのブランド力を大幅に上げるための戦略。
それにはベンツやBMWと真っ向から勝負できるデザイン性と走行性能に優れた高級セダン&クーペは不可欠なはずなのだが……。
関係者の証言を続ける。
「まずは土台を固めるということです。ビジョンクーペのようなクルマは、マツダの社員であれば、誰でも実現したいと思っているものです。一方で“理想ばかり追い続けていていいのか?”という声があるのも事実。好きなことばかりやっていると社内で思われないよう、SUVシリーズをしっかり売っていかなければなりません」
直6FR戦略を強力に推進し、次期社長候補の筆頭と見られていた藤原清志副社長が6月に突如退任。
その理由についてさまざまな憶測が流れているが、本人が語っていない以上「わからない」と言うほかはない。
しかし、次期MAZDA6、コスモ直系ラグジュアリークーペの計画が立ち消え状態になっていることとの関係がまったくないとも言い切れず、マツダに何か大きな動きが出てきていると感じてしまうのは事実だ。
この縦置きエンジンプラットフォームはトヨタと共用するという説もあったが、最新情報ではその線も薄い。
BEVへの転用も可能なように作られているとはいえ、基本的には先ゆき不透明な内燃機関用のアイテムだ。マツダ単独で、しかもSUVだけで多額の開発費を回収できるのかという疑問も生まれる。
■様々な情報を総合すると
ベストカースクープ班が多方面から集めた情報を整理しての結論は「次期MAZDA6の開発は保留状態、ラグジュアリークーペの開発は中止」となる。
そして「その先はSUV群の売れゆきにより決められる」といったところだろうか。
もうひとつ考えられるのは、MAZDA6はスモール商品群とラージ商品群との隙間に存在するCX-5のような立ち位置になるというもの。
すなわち、直6FRではなく現行型のコンポーネントを使いながらフルモデルチェンジ(もしくはマイナーチェンジ)するということ。その場合は、もちろんFFベースということになる。
不明な点が多いマツダの新戦略だが、クルマ好きの心に刺さるものだけに期待は無限大。引き続き今後の動向を注視しお伝えしていきたい。
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