キング・オブ・ミニバンと言われ、日産の高級ミニバンとして13年以上も現行モデルの販売が続いているエルグランド。2023年6月21日にアルファード&ヴェルファイアが登場した今、エルグランドのフルモデルチェンジはないのか? またトヨタが怒涛のSUV登場ラッシュを迎えているのに日産に打つ手はないのか、迫ってみたい。
文/ベストカーWeb編集部、写真/ベストカーWeb編集部、日産、タイトル写真/パスファインダーコンセプト
■新型エルグランドは2023年中の登場はなし!
現行エルグランドの登場は2010年8月。2014年にビッグマイナーを実施してフロント回りのスタイルを変えたものの、アルファード&ヴェルファイアに対して後塵拝してきた。
これまで新型エルグランドの登場は2023年中と予想されていたが、最新の情報では2023年中はなく、2024年春にずれ込んだという情報が入ってきている。
ラージクラスのミニバン市場は、2023年6月21日に新型アルファード&ヴェルファイアが発売され、早くも2024年8月までの生産分は完売という状況。
さらにオデッセイが2023年秋に先行予約が開始され、2023年冬に発売、中国の広汽本田が生産したものを日本に輸入して販売される。
さて、この新型エルグランドは、新型アルファード&ヴェルファイアに対抗できるほどの魅力を持っているのだろうか?
思えば初代エルグランドはライバル、グランドハイエース&グランピアを圧倒し、月販1万台を記録したほど人気だった。それが代を追うごとに人気が凋落していった。キング・オブ・ミニバンの名にかけて復活してほしいものである。
注目は新型エルグランドのデザイン。ベストカーが制作したCGイラストはアリアやサクラを参考にしているが、新型セレナや2023年4月に発表されたパスファインダーを見るかぎり、こちらのデザインもありうるだろう。新型エルグランドのデザインは最近の流れを見ているとむしろ、パスファインダーの顔に近いかもしれない。
パワートレーンについては、飛び道具といえる、1.5L、VCターボ+第2世代e-POWER、そして電動駆動4輪制御技術のe-4ORCE、さらにセレナルキシオンに標準装備されているプロパイロット2.0の搭載である。
これまではラージミニバンを走らせる燃費のいいパワーユニットを持っていなかった日産だったが、現在はパワフルでありながら、静粛性や抜群の燃費性能を持つ発電用の1.5L、VCターボのe-POWERがある。
発電用の1.5L VCターボは、日産が世界で初めて量産化に成功した可変圧縮比エンジンで、新型エクストレイルに搭載しているパワーユニットと基本的に同じだが、エルグランドのほうがひと回りサイズは大きく、車重が嵩むためモーター出力、トルクをアップさせ、走行性やレスポンスアップを図る見込み。
プラットフォームはセレナ用ではなく、新型エクストレイルと同じCMF-C/Dになるだろう。4WDシステムも評価の高いe-4ORCEを搭載する予定。
アクセルペダルだけで車速を自在にコントロールできるe‐ペダルステップは、e-ペダル車で初めてブレーキ協調制御を採用し、状況に応じて油圧ブレーキを作動させることも可能。
FF車は、フロンモーターのみの前輪駆動。4WDは、e-4ORCEにより、前後2機のモーターと左右のブレーキを統合制御することで、4輪の駆動力を最適化し雪道や山道の走破性を高めている。
8人乗りは2列目が3人掛けのベンチシート、7人乗りはセパレートで2人掛けのオットマン付きで差を設けるのは現行シリーズと同じである。
先代ノートがe-POWER搭載により人気が復活した例があるだけに、新型エルグランドにも1.5L、VCターボ+e-POWER、e-4ORCEという飛び道具を採用して、アルファード&ヴェルファイアに迫れるのか、見ものである。
新型セレナの最上級グレード「ルキシオン」には高速道路走行での自動運転でハンズフリーが可能な「プロパイロット2.0」を装備しているが、新型エルグランドにも設定する見込み。またエルグランドのBEVも登場する可能性が高い。
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