■ハイブリッドにも3気筒エンジン搭載で燃費アップ
今後はハイブリッドにも3気筒エンジンが組み合わされることになりそうだ。
現行アクアには1.5L 4気筒エンジンにモーターを組み合わせた2代目プリウスベースのTHSⅡが採用されているが、次期モデルではカムリの2.5Lハイブリッドなどに採用される新世代THSを搭載。
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1.5L 3気筒のハイブリッドになる。エンジン型式は「M15」で、モーター駆動の4WDもあるという。
現在、JC08モード燃費ナンバー1モデルはプリウスのEグレードで40.8km/L。搭載するのは先代モデルから20%燃費を向上させた1,8L 4気筒のTHSIIだ。
これを次期アクアが搭載する新世代ハイブリッドでは、1.5Lに小排気量化することでさらに効率をアップ。
次期アクアは2021年の登場予定で、その頃のカタログ燃費は実燃費に近いWLTCモードが一般的になり、すると「燃費50km/L」をウリにするのは難しい。
しかし、JC08モードで50km/L、WLTCモードでも50km/L近い数値を目標に開発をしているというのだ。
現在はクリーンディーゼル車のような低燃費と力強い加速の動力性能を両立したクルマもあり、単に燃費がいいコンパクトカーというだけでは、新車が売れなくなっているのは事実。
そこで、次期アクアは「ほかを圧倒する数値の低燃費を実現しろ」というのが社内で命題になっていると関係者は言う。そのため、目標数値が非常に高い。
そして、ここまで高い燃費目標を次期アクアに設定してきたというのは、トヨタのハイブリッド戦略が今、岐路に立っていることの現われともいえる。
今後トヨタは1Lのハイブリッドなど、さらに小排気量のエンジンをベースにしたTHSIIへと発展させ、それをよりコンパクトなパッソやルーミー/タンクなどに投入する可能性がある。
そのいっぽうで、1.5L 3気筒ハイブリッドもパフォーマンス的にさらに余裕が出れば、その上のクラスまで搭載するケースもなくはない。
いずれにせよ、次期アクアはトヨタ次世代のハイブリッド戦略にとって大きな役割を持って登場することになる。
■3気筒で大成功のe-POWERの今後
1.2L 3気筒エンジンが発電した電気でモーターを駆動するシリーズハイブリッドであるe-POWER。
2016年にノートに追加設定され、2018年3月にはセレナにも設定。
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ノートは2018年度販売台数ナンバー1でセレナも圧倒的な人気を誇っており、日産はこの好調ぶりからe-POWERを国内市場での拡販のカギと捉えている。
そこで今後、日産は2022年までにe-POWER車を5車種投入することを発表しているが、登場から3年目を迎えるe-POWERはこれから投入するモデルには進化版が搭載されることになる。
その進化型e-POWERでは排気量アップを図るのか、モーターパワーの向上を図るのか、まだ詳細な情報は入っていない。
しかし、現在搭載されているノートは登場から7年目を迎えてモデルチェンジのタイミングが来ており、その中心的パワーユニットであるe-POWERも当然ながら大幅改良が必要な時期に来ている。ちなみに、次期ノートは2020年の登場が予想される。
さらに、ジュークのフルモデルチェンジも2020年になりそうで、次期型ではe-POWERが投入されることになる。
ただ、今日産で売れているのは軽自動車とe-POWERが設定されているノートとセレナであり、これら一部の車種に限定されてしまっている状況だ。
国内マーケットの見直しがこれからの日産の課題といえる。
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そこで、販売好調な3気筒エンジン+モーターのe-POWERは今後、エクストレイルなどの上級モデルまで、ラインナップを広げて投入される可能性は高い。
さらに現在、ノートe-POWERには「NISMO」、そしてより一段とハイパフォーマンスな「NISMO S」と2つのe-POWER NISMOが設定され、これらの評価も高いことから、今後はより過激な「NISMO R」のようなモデルが出てくる可能性もある。注目だ。
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