JMS2023の初日であるプレスデーに出展されたトヨタのサプライズカー「FT-Se」。市販化は当分先と思われていたが、2027年にも市販モデルが発表されるという。今入ってきている情報と、採用されるであろう構成部品を考慮し、市販型の姿を検証した!!
※本稿は2023年11月のものです
文/ベストカー編集部、写真/TOYOTA、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2023年12月26日号
■次期型スープラやMR2後継との関係は?
●このクルマのPOINT
・プラットフォームはBEV専用に開発された第3世代のものを採用
・次世代型電池パフォーマンス版(角型)をフロア下に小型化して搭載
・前後にeAxleを搭載するAWDモデル。合計出力は300kW(408ps)級~
・2026年登場のレクサスLF-ZCに続き、2027年登場予定。価格は1000万円級
第3世代となるBEV専用プラットフォームを採用するFT-Se。全長4380×全幅1895×全高1220mmというボディの前後にeAxleを搭載するAWDモデルだ。
ボディサイズ的には全長4380×全幅1865×全高1295mmという現行スープラに近く、開発担当も同じ硲文彦氏ということで関係性を感じさせるが、次期型スープラはFRを維持するという情報が入っているだけに、このミドシップ的デザインを持つFT-Seがスープラを名乗るのは違和感がある。
また、トヨタのミドシップというと以前、ベストカーが復活をスクープしたMR2があるが、あちらはGRヤリスやGRカローラが積む1.6Lの直3エンジンを搭載する純内燃機関モデルで開発が進行中。
2026年のラインオフを目標としているというから、2027年のデビューが予想されているFT-Seとは、やはりパワーユニット的にも登場時期的にも別のモデルと考えたほうが素直だろう。
■前後にeAxleを搭載し出力換算400〜500psを発揮か
以上のような前提条件のもとにFT-Seの市販型を予想していくわけだが、まずバッテリーは、レクサスLF-ZCにも採用される次世代電池パフォーマンス版(角型)を積むことになるだろう。
全固体電池ではないようだが、従来比約2倍の航続距離と充電時間の短縮を謳う、高効率化と小型化の両立を実現したもので、充分以上の性能を有していると判断できる。
気になるのは前後のeAxleが発生するパワー。こちらに関してトヨタサイドから正式なアナウンスはなく「スポーティな走りを味わえる性能」「見た目を裏切らないパフォーマンス」という表現にとどまっている。
小型化されるとはいえ重量のかさむBEVで前出の表現に適うとなると、おそらく前後モーターで300kW(408ps)級を最低ラインとし、ハイパフォーマンスバージョンでは出力換算で500ps以上となる370kW級の出力を発生することになるだろう。
ボディデザインは市販に向け、若干ショーカー的なデコレーションが削られるだろうが、ショーモデルの雰囲気を色濃く残したものとなる。
ショー出展モデルは特にリアまわりなど、かなり空力を意識したデザインとされていたが、そこは市販型となっても変更されることはないはずだ。
レクサスのLF-ZCが市場に投入される2026年から、さほど間をおかずにデビューすると思われるFT-Se。
市販時の価格は1000万円級、ハイパフォーマンス版は1500万円クラスの価格となることが予想されるが、それだけの価格に見合う実力は間違いなく備えている。
【画像ギャラリー】そんなに早く出るの!? JMS2023に出展され2027年に市販モデル登場がウワサされるトヨタ FT-Se(20枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方