早くて7月にも予約がスタートする見込みの新型シビックRS。タイプRほどのスパルタンさはいらないけど……という人にピッタリのグレードで、かつてのあったSiRを思わせるスポーティモデルという位置付け。価格は20万円高程度に収まる見込みだが、どんな仕上がりとなるのか。MTだけってホントなの!?!?
文:渡辺陽一郎/写真:ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】コレだよこれ!! ちょうどよすぎなシビックRSの全貌を写真でイッキ見(6枚)画像ギャラリー■ホンダのイメージ回復のカギはシビック!? 2.30代が2割以上ってマジか
2023年に国内で新車として売られたホンダ車の内、N-BOXが39%を占めた。今のホンダ車では3分の1以上がN-BOXだ。
軽自動車全体になると、国内販売比率は54%に達する。
そこに小型車のフリード+ヴェゼル+フィットを加えると、2023年に国内で新車販売されたホンダ車の86%を占めてしまう。
逆にシビック、ステップワゴン、ZR-Vなどは、全車を合計しても14%だ。
特にかつて絶大な人気を誇ったシビックは、1か月平均登録台数が約1100台だから、N-BOXの6%、国内で新車として売られたホンダ車に占める割合は僅か2%だ。
この状況になると、ホンダのブランドイメージも影響を受ける。
「小さくて安価な実用車を造るメーカー」になってきた。ホンダのブランドイメージのダウンサイジングは急速に進んでいるから、ストップを掛けるなら早急に行わねばならない。
その意味で重要な存在がシビックだ。50年以上の歴史に支えられた基幹車種とあって認知度は高い。
しかも現行型は、価格が300万円以上に達するが、比較的若いユーザーも多い。
発売当初は20~30歳の年齢層が全体の20%以上を占めた。50代の支持も厚く、往年のホンダを取り戻すにはシビックが大切な役割を果たす。
■後輪の接地性がキモ!? ただでさえ走りがいいシビックをレベルアップ
この意図も踏まえて、東京オートサロン2024にシビックRSが出品された。
ボディの基本的スタイルは、ほかのシビックと同様の5ドアハッチバックだが、ブラックのグリルには「RS」の文字が入る。
ショーモデルは、ボディ全体がブラックで統一されて精悍な印象だ。
ホイールもブラックで、タイヤサイズは現行型と同じ18インチ(235/40R18)。展示車両が装着していたブランドは、グッドイヤー・イーグルF1で、これも現行型と同様だ。
外観以外の情報は不明だが、エンジンは直列4気筒1.5Lターボとなる見込み。
トランスミッションは6速MTで、現行シビックのLXやEXなどのグレードにも、無段変速ATのCVTと併せて採用されている。
そうなると現行シビックと比べて何が違うかだが「RS」の意味に忠実な開発を行う。
RSは初代シビックから設定されているグレードで「ロード・セーリング」を示す。
帆船が風を受けて道路の上を滑らかに巡航するような、快適で、爽やかで、気持ちの良い運転感覚だ。
ちなみにRSのグレード名は、メーカーやブランドよって意味が異なる。
速く走るレーシング・スポーツ、軽快な運転感覚を示すランナバウト・スポーツといった内容もあるが、ホンダはレースとかスポーツではない。
そのために新型シビックRSも、快適性から運転の楽しさまで、さまざまな機能を向上させる。
最も注目されるのは足まわりだ。滑らかに伸縮する上質なショックアブソーバーを使って、減衰力も最適化する。
タイヤが路上を細かく跳ねるような微妙な粗さまで抑え込み、引き締まった乗り心地に仕上げる。
カーブを曲がる時は、外側だけでなく内側に位置するタイヤのグリップ力も有効に使われ、4輪を確実に接地させる。
現行シビックも、後輪の接地性を十分に確保した上で自然に曲がる運転感覚に仕上げており、RSはこの特徴をさらに際立たせる。
足まわりの変更で、ステアリングの操舵感も上質になる。微小な操舵角から車両の進行方向が正確に変わる。従来以上にドライバーの操作に忠実に走るため、車両との一体感も強まり、運転が一層楽しく感じられる。
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