■シビックのネガも払拭!! エンジンは専用チューンになるゾ
ドライバーの操作に忠実に走るという意味で、今のシビックの1.5Lターボには解決すべき課題がある。アクセルペダルを戻した時に、エンジンの回転が下がりにくいことだ。
通常の穏やかな走りで6速MTをシフトアップした時など、回転が下がりにくいと、クラッチを繋いだ時に回転数が合わず僅かなショックが生じる。
慣れるとエンジン回転数の落ち方にクラッチ操作のタイミングを合わせられるが、運転の楽しさを削いでしまう。
ホンダでは「この課題は把握している」とのことで、今後のマイナーチェンジなどで対応するだろう。RSもそのタイミングで追加されると思う。
またRSは、ほかのグレードと比べて、1.5Lターボのエンジンチューニングを若干変える可能性もある。
吹き上がりを活発にして、6速MTとの親和性を高めることが目的だ。最高出力も現時点では182馬力(6000回転)だが、195馬力(6500回転)という具合にライトなチューニングを施す。最大トルクは変わらない可能性が高い。
このほか6速MTのシフトフィーリングを向上させたり、ブレーキローターのサイズをハイブリッドのe:HEVを共通化して、現状の1.5Lターボよりも10~20mm大径化する可能性もある。
最初のRSは、前述の通り初代シビックが1974年に追加したが、ロード・セーリングのコンセプトは進歩的だった。
RSの意味をレーシング・スポーツと捉えれば、高性能にチューニングすれば良いが、ロード・セーリングは違う。
楽しさと快適性の両立が重要だから、ステアリングを始めとするドライバーの微小な操作に対しても車両が忠実に反応して、危険回避性能や乗り心地も上質でなければならない。
そのためにはボディやサスペンションなどの取り付け剛性を最適化するなど(剛性は高ければ良いという話ではない)、高度な知見に基づく基本性能の向上が必要だ。
これは日本、海外メーカーを問わず、今日の商品開発が重視する共通の方向性でもある。
つまり1974年に確立されたロード・セーリングのコンセプトは、50年後のクルマ造りを見抜いた一種の予言であった。
ホンダでは2022年にシビックの生誕50周年を祝ったが、それに比肩するのがロード・セーリングの50周年だと思う。
そしてシビックは、その車種の造り込み自体が、ロード・セーリングのコンセプトを色濃く反映させている。
シビックRSは、ホンダに限らず、今の車両開発を象徴する存在だ。
■予約は早くて24年7月!! 価格は380万円切り!?
ホンダの販売店では「シビックRSは9月頃に発売予定で、予約受注は7月から8月頃に開始するだろう」という。
価格は未定だが、1.5Lターボを搭載する上級グレードのEX(359万400円)と比べて、20万円高い379万400円くらいだろう。
重要なのはバランスの向上で、特別なメカニズムを搭載するわけではないから、極端な価格アップにはならない。
シビックRSの後には、ジャパンモビリティショー2023に出品されたプレリュードの発売も控えており、ホンダのダウンサイジングされたブランドイメージも、少しずつ元に戻り始めるだろう。
【画像ギャラリー】コレだよこれ!! ちょうどよすぎなシビックRSの全貌を写真でイッキ見(6枚)画像ギャラリー
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