さよならありがとうMEGA WEB!! 22年の歴史に幕…跡地はどうなるの?

■外国人来館者も多数!「おもてなしの極意」

 MEGA WEBの特徴のひとつに外国人来場者の多さがあった。今はもちろんコロナ禍にあって、外国人の来館者は少ないが、MEGA WEBの調査によると2019年1年間の来館者は国内6:海外4だったそう。筆者の記憶では平日などはとくに海外からの来場者らしき人々が多く、8割以上だったような印象がある。

 世界中で高い人気と厚い信頼を獲得しているトヨタ車の最新モデルに試乗(国際免許証でOK)もできて、しかもそのほとんどが無料で楽しめるため、とにかく人気が高かったのだ。パンフレットもドイツ語やタイ語、ロシア語、中国語など10か国語に対応していた。お台場という人気エリアに位置しており、ヴィーナスフォートや観覧車など人気施設近いことはもちろんだろうが、MEGA WEB見学は外国人向けのツアーにも組み込まれていて、非常に人気が高かった。

10か国語に対応していたMEGA WEBのパンフレット
10か国語に対応していたMEGA WEBのパンフレット

 以前、外国人観光客の取材をした際、「何が魅力なのか」を聞いてみた。

「こんなに色々な体験ができるのに入館料が無料というのが素晴らしい。日本流、トヨタ流のおもてなしの極意を感じるよ。アメリカにもオートモールというショールームの集合体があるけれど、あくまでもそれは各社のディーラーが集まっているだけ」(アメリカ・カリフォルニア州)

「日本は2回目だけど、前回初めてMEGA WEBに来てあまりにも楽しくて絶対また来たいって思ったよ。ほとんどの展示車両はドアを開けて乗り込めるし、300円で試乗もできる。これはスゴイことだよ。もちろんフランスでは販売されていないクルマにも乗れるしホントに楽しい」(フランス)

「ヒストリーガレージがお気に入りだった。トヨタ車に限らず日本の古いクルマ、世界の歴史的名車を見る機会は中国ではほとんどないからね。珍しいクルマをたくさん見ることができて歴史の勉強にもなったよ。これも無料で見られるなんて感動だね」(中国)

 などなど。MEGA WEBを絶賛する外国人来場者が後を絶たなかった。

 バーチャルドライブが楽しめる体験施設やシミュレータゲームなどは多くの外国人客が列を作って順番待ちをしていた。

 また、海外来場者に対する「おもてなし」展示として他の日本車ショールームや自動車関連の施設にはない展示としてとびぬけてユニークな展示があった。それは、トヨタ自動車が中国で生産、販売しているいわゆる中国市場向けの車両が「常設」で展示されているエリアだ。

 こちらは、年間100万人を超える中国からの来場者に向けたトヨタ流のおもてなしとして始まった。例年、2月の春節や10月の国慶節のシーズンには中国から大挙してMEGA WEBに観光客が訪れる。中国の人々に喜んでもらうべく、トヨタ中国車の展示を始めたのである。

 中国語の化粧プレートを付けた左ハンドルのトヨタ車や中国製造であることを示す「一汽豊田」「広汽豊田」の漢字エンブレムはとても新鮮。2019年10月の取材当時はMEGA WEBを訪れる中国人来場者は年間120万人規模にもなっており、中国車展示エリアは大人気となっていたのだ。

広汽トヨタ レビン PHEV(广汽丰田 雷凌 双擎E+)など中国市場で販売中のモデルを展示。これ日本でも売ってくれんか…
広汽トヨタ レビン PHEV(广汽丰田 雷凌 双擎E+)など中国市場で販売中のモデルを展示。これ日本でも売ってくれんか…

 とくに、イベント期間中は日にち限定で1回10分間の試乗ができる中国来場者に限定した試乗も可能だった。中国の運転免許証があれば運転可能で、スタッフが運転する車への同乗試乗もOK。中国仕様のカローラPHEV、レビンPHEVの他、MIRAI、RAV4とC-HRのHEV、86も試乗車として用意されていた。実施日にはいずれの車種も試乗希望者が列を作って大変好評を博していた。

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