7月3日、トーヨータイヤはトラック・バス(TB)用スタッドレスタイヤ「M939」を発表した。
発売に先行し、今年(2023年)の2月にはトーヨーユーザーを集めたスタッドレスタイヤの試乗会が北海道で開催され、ひと足先にM939を体感する機会を得た。
まだ夏真っ盛りですが、トーヨータイヤ肝いりのスタッドレスM939をいち早くレポートさせていただきます!!
文/フルロード編集部、写真・図/フルロード編集部・トーヨータイヤ
根強い人気があったトーヨータイヤのTB用スタッドレス
トーヨータイヤは、TB用タイヤのシェアはそれほど高くはないが、特定のユーザーからは根強い人気があるタイヤメーカーである。
2013年に発売開始したTB用スタッドレスタイヤ「M929」は、まさにそれを象徴するようなモデルで、ユーザーからの支持を経て約10年間変わることなく販売されてきたタイヤだ。
今回発売されるM939は、そんなM929の後継となるスタッドレスタイヤで、ドカ雪や降雪日数の減少といった近年の日本をとりまく気候状況の変化に対応すべく、さらなる「効き」と「持ち」の両立を目指して開発された。
M939ではコンパウンド配合や土台素材などはほとんど変えず、M929の長所を継承しつつ、トレッドパターンのレイアウト変更を行なうことで、氷雪上性能や耐摩耗性能などあらゆる面で従来モデルを上回る性能が実現されている。
そのトレッドパターンには「高密度ウェーブサイプ」「周方向連結ブロック」「ワイドメイングルーブ」「ワイドセンターブロック」と呼ばれる技術を採用。
高密度ウェーブサイプは、ブロック内に波型のサイプを高密度で配置(サイプ総延長はM929比で13%アップ)することでアイス路面でエッジ効果を確保する技術だ。
また周方向連結ブロックでは、大型化したブロックを回転方向に連結させ、ブロックの倒れ込みによる接地面の減少を抑制しグリップ力を発揮(アイス性能が向上)。さらに連結ブロックによって過度な動きが抑制され、耐摩耗性能も向上している。
いっぽうワイドメイングルーブは、4本の主溝幅を広く取ることで雪の目詰まりの抑止効果に貢献。またワイドセンターブロックは、接地圧力の高いセンター部分のブロック幅を広げることで圧力を均一化し、耐偏摩耗性能向上に貢献するトレッド技術となっている。