BYDジャパンは2024年3月1日、2024年の戦略発表会を都内で開催し、合わせてSUVのATTO3改良モデルを発表した。BYDジャパンと販売会社のBYDオートジャパンが明らかにした詳細についてレポートしよう。
文/ベストカーWeb編集部・渡邊龍生、写真/ベストカーWeb編集部・渡邊龍生、BYD
■日本ではBYDブランドのみだが、今後はDENZAなど別ブランドも導入へ
BYDジャパン(劉学両代表取締役社長)が販売会社のBYDオートジャパン(東福寺厚樹代表取締役社長)を設立し、日本市場への進出を発表したのが2022年7月。それから1年半以上が経過した現在までの状況について劉社長が現況をまとめた。
それによると、BYDのグローバルでの2023年のNEV(EV+PHEV)販売台数が302万台と初めて米テスラを上回った。また、2024年2月までの世界累計販売台数は650万台に達したことを明かした。
日本でのBYDブランドはBYDのみで、2023年のジャパンモビリティショーでミニバンのD9を披露したDENZAが控えている。このほか、中国本国ではラグジュアリーブランドの「YANGWANG」、SUVブランドの「FANGCHENGBAO」も展開されている。
さらにBYDの車両全体ですでにNEVは192億kmを走行し、炭素排出の総削減量は46億2300万トン、植樹の換算本数は7億7000万本に達したという。
■2025年末までに日本全国で100店舗を開店予定
続いて東福寺社長が日本国内でのこれまでの歩みについて報告。BYD正規ディーラー1号店の東名横浜店が開店し、すでに21号店の岐阜店が開業、さらに2024年3月2日にはBYDオート練馬が22号店としてオープンした。
BYDの販売車種については第1弾のSUV、ATTO3が2023年1月から発売。続いて第2弾のハッチバックモデル、ドルフィン(イルカ)が2023年9月に発売された。
このうえでBYD正規ディーラーは2025年末までに100店舗を展開予定で、2024年3月2日時点で全国51拠点(開業準備室を含め)、そのうち正規ディーラー店舗は22店舗となっている。
BYDオートジャパンの2023年12月までの累計登録台数は1446台。このうち、ATTO3が1198台、ドルフィンが248台となっている。
今後、日本ではBYDの新型車を毎年1車種以上、継続的に導入していくことを明言。日本市場第3弾モデルとしてセダンのSEAL(アザラシ)が2024年年央の6月にも発売するとしている。
■中国本土で試乗したSEALにも期待!
ところで、2022年7月の記者会見では第1弾モデルのATTO3、第2弾モデルのドルフィンとともに展示されていた水色のセダンがあったことを覚えているだろうか。それがSEALで、担当は2023年4月に中国現地で試乗していたのでその時の試乗インプレも合わせてお送りしたい。
個人的にセダン派である私にとっても気になっていたモデルで、BYDが「海洋シリーズ」として名付けて発売している。セダンタイプのEVとなり、2023年8月から受注開始されたドルフィンに続く海洋生物にちなんだ車名がつけられている。
SEALのボディサイズは全長4800×全幅1875×全高1460mm、ホイールベース2920mm。国産モデルだと日産スカイラインが全長4790×全幅1820×全高1440mm、ホイールベース2850mmなので、ほぼ同じようなDセグカテゴリーのサイズとなる。
SEALが設定しているモーターは2種類で、ひとつ目は駆動方式がFR方式で312psのシングルモーター(1充電で556km走行可)、ふたつ目は4WDでフロントに217ps、リアに312psというツインモーター(1充電で650km走行可)を積んだハイパフォーマンスタイプ。
SEALが中国本国で発表されたのは2022年2月。そこからこれまでに約7万2000台を中国国内で売り上げるヒットモデルになっているという。しかも、その中心となる購買層が25~35歳の男性ユーザーが半数を占めるというのが日本とは大きく違っている。
中国市場でのライバル車となるのはセダンであるテスラモデル3。しかし、価格的にはSEALは18万9800中国元(約380万円)がFRモデルのスタート価格になっており、2割ほどモデル3よりも安価な設定となっている。4WDモデルは29万8140中国元(約600万円)。
私が試乗したSEALはハイパフォーマンスタイプの4WD車で、0-100km加速3.8秒を誇るなかなかの快速モデル。サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン式、リアがマルチリンク式を採用している。
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