BYDアット3のセンターディスプレイが15.6インチに巨大化した。対して日本車のディスプレイはそれほどじゃなく、最新モデルでも12.3インチがほとんど。なんでこんなに違うんだ!
文/ベストカーWeb編集部、写真/BYD、ベストカーWeb編集部
■昔は家のテレビですら13インチだった!
BYDのATTO 3がマイナーチェンジした。カラオケができるようになったとか新色(ブラック)が追加されたとか変更点はいろいろあるが、昭和のオッサンが改めて驚くのは、センターディスプレイの大きさだ。なんと15.6インチ。これは対角線の長さだが、ほぼ40cmもあるじゃねえか!
ここで昭和世代は若かりし頃を思い出してほしい。自分の部屋や、一人暮らしを始めたアパートのために有り金はたいて買ったテレビは、たいてい13インチじゃなかったか? ちっさ!
センチに直すと対角線がたった33cm! 力士の手のひらより小さい! それでも結構高くて、上京した千歳船橋の電気屋で3万4800円とか払った記憶がある。
しかもだ。当時のテレビはブラウン管だった。解像度が640×480画素しかないから画像が粗いこと粗いこと。百恵ちゃんもキャンディーズも長嶋茂雄のお姿も粗々だったが、まーお肌の小ジワとか映んなくてそれはそれで幸せだったのかもしれない。
しかしなによりも13インチテレビを普及させたのはファミコンだろう。マリオとかドンキーコングとか、居間のテレビでやってると親に怒られるから、自分の部屋用にテレビを買うヤツが増えたのだ。あんな小さな画面に友達みんなが張り付いて、ドラクエとかやってたんだから平和なもんだ。
■日本車はなんで12.3インチばかりなのか?
賢明な読者ならもうお気づきとは思うが、車載ディスプレイがでかいのはBYDに限らない。テスラのモデルSなんか17インチだし、メルセデスのEQSなんかダッシュボード全体がディスプレイだ(公称56インチ!)。
ところがだ。日本車に目を向けてみると12.3インチばっかりなことに気付く。トヨタのクラウンファミリーがそうだしプリウスもbZ4Xも同じ。マツダCX-60も、日産エクストレイルも、ホンダの新型アコードも12.3インチ。せいぜいアルファード/ヴェルファイアが14インチでがんばっているくらいだ。
この事実を、筆者は密かに昭和世代の開発者が13インチテレビの呪縛にかかっているためだとみている(たぶん違う)。
筆者の勝手な妄想はおいといて、なんでこうも12.3インチばかりなのだろうか。
実は液晶パネルのサイズはクルマごとに自由に決められない。液晶パネルを少量だけ特注したら法外に高いからだ。
そこで一般的な乗用車は、刻々と変化する液晶パネル市場の中で開発要件に合った既製品を選ぶわけだが、その液晶パネル市場で、現在非常に量産が進み、価格がこなれているのが12.3インチというわけだ。
とはいえ前段でも述べた通り、世界的にはディスプレイの大型化が進んでいる。ということは液晶パネル市場でも、より大型な車載パネルの生産が進み、今後は日本車にも搭載が進むと思われる。
昭和のオッサンもぼやいてばかりいちゃいけない。13インチなんて言ってないで、国産車の液晶ディスプレイはもっとサイズアップしてほしい!
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