2020年9月の発売以降、モータースポーツの様々なシーンに登場してきたGRヤリス。待望の2024年モデルが、オートサロンで初お目見えだ。
GRヤリスの次なるミッションはモータースポーツの裾野を広げること。進化と共に託される思いは大きなものだった。
文:佐々木亘/写真:森山良雄
【画像ギャラリー】インテリアの「囲まれ感」は80スープラ級!? エンジンも内外装も進化したGRヤリスを見て(9枚)画像ギャラリー■8速AT搭載で304馬力はマジすげえ
トヨタブースに登場した新型GRヤリスRZ High-performance。そのスペックは、進化という言葉では片づけられないほどすごい。
ボディサイズは従来モデルを踏襲し、全長3,995mm×全幅1,805mm×全高1,455mm。車両重量は1,280㎏と、これまでのiMT(6速マニュアル)モデルと同じだ。エンジン型式もG16E-GTSと同様なのだが、この心臓部の進化が凄かった。
排気量は1.6Lで先代と同じだが、最高出力は224kW(304PS)/6,500rpmと先代比32PSアップ。トルクは400Nm(40.8kg)/3,250~4600rpmと先代よりも3.1kgも上がった。さらにミッションにはGR-DAT(GAZOO Racing Direct Automatic Transmission)の8速オートマチックトランスミッションを搭載している。
従来モデルではRSグレードにDirect Shift CVTが載るのみで、RZグレードはハイパフォーマンスを含めiMT(6速マニュアル)だった。乗り手を選ぶGRヤリスは、誰もが最高のパフォーマンスを楽しめるクルマへ生まれ変わる。
足元には18インチのBBS製鍛造アルミホイールを輝かせ、タイヤは225/40R18を前後に履く。タイヤ銘柄は、もちろんミシュランのパイロットスポーツ4Sだ。
内装は、スウェードと合皮のコンビ表皮からなるプレミアムスポーツシートやGR Full TFTメーターが、ドライビングスピリットを掻き立てる。エクステリアもインテリアも、もちろん心臓部にも死角なし。まさに、最強のGRヤリスが誕生した。
■壊してくれたからこそ「もっといいクルマ」になる
新開発されたGRヤリス開発の合言葉は「壊してくれてありがとう」である。レースやラリーといった極限環境で発生するトラブルが、GRヤリスを大きく進化させた。不具合発生時の走行データーや操舵フィール、壊れた部品を徹底的に追求し、改良を重ねた結果が、2024年モデルにフィードバックされている。
また、8速ATを搭載した背景には、モリゾー氏の「モータースポーツの裾野を広げたい」という思いが、深く籠められた。幅広いドライバーにスポーツ走行やモータースポーツを存分に楽しんでもらうことが、GRヤリスに託された使命だ。
最後に、モリゾー氏は「新年のご挨拶」でこう語っていた。
「エンジンを作っていこう」
カーボンニュートラルという山を登る方法は、いくつもある。その中で、とにかくクルマが好きであり、エンジンを無くすという選択肢はないという。敵は炭素であり、BEVもHEVも純ガソリンエンジンも、同じように炭素とどう向き合うかを考えているようだ。GRヤリスは、エンジンを作っていくということに対しての、1つの答えなのかもしれない。
GRヤリスが体現する、モータースポーツ起点の「もっといいクルマづくり」に終わりはない。今後も、シビアなモータースポーツの環境と、プロから一般ドライバーを含めた、あらゆるドライバーたちが、GRヤリスを進化させていく。
大注目の進化したGRヤリスは、2024年春頃に発売を予定する。
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コメント
コメントの使い方ラリチャレでテストしている時から製品化するだろうとは思っていましたが、思ったより早く投入してきましたね。MTに比べて重量増も最小限で馬力も上げてくるとは。そのうちMT対ATでのラップタイム比較とか見てみたいですね。あと新型のインパネがAE86を思い出しましたw 社長の趣味じゃないでしょうね^^