リトラクタブルヘッドライト車といえばスーパーカーに端を発し、スポーツモデルの証として1980年以降、多くのクルマ好きが憧れたアイテムだ。
現在は法規によりリトラクタブルヘッドライトを採用するこはできないため、新車で購入することはできない。しかし、中古車としてなら購入可能だ。
ここでは代表的かつ現実的な4台を厳選し、流通しているタマ数、相場などについて考察していく。
文:萩原文博/写真:MAZDA、TOYOTA、NISSAN、HONDA、MITSUBISHI、SUBARU、ISUZU
【画像ギャラリー】マニアックなリトラクタブルヘッドライトの国産車
ハイパフォーマンススポーツカーの象徴
クルマの外観デザインは法律の改正などによって大きく影響を受けるもの。その法律の改正や安全性などによって消えてしまったアイテムのひとつが「リトラクタブルライト」だ。
クルマ好きの中では「パカライト」や「リトラ」とも呼ばれるリトラクタブルヘッドライトだが、これはヘッドライトを消しているときには車体内部に格納され、ヘッドライトを点灯させるときにはヘッドライトが回転して表れるというアイテムである。

リトラクタブルヘッドライトを採用するメリットは、車体前方の高さを低く下げることができるので、空気抵抗の低減することができること。いっぽうデメリットは、モーターなどたくさんのパーツを使用するため重くなるということが挙げられる。
しかし、1970年代後半に起こったスーパーカーブームでは、ランボルギーニカウンタックやフェラーリ365GT4BB/512BB。そしてラリーで活躍したランチアストラトスなどが採用し、リトラクタブルヘッドライトはハイパフォーマンススポーツカーの象徴となった。
日本車ではRX-7(FD3S)が最後

そして国産車で初めてリトラクタブルヘッドライトを採用したのは、あの名車トヨタ2000GT。そういった経緯もあり、リトラクタブルヘッドライトはスポーツカーを中心に多くの車種に採用されることとなる。
しかし、このリトラクタブルヘッドライトも終焉を迎える。それは北米におけるライトの最低地上高位置の緩和や、対人事故の際の安全面などによる問題点が唱えられるようになったのだ。

その結果日本でも法律により規制されるようになり、2002年8月のマツダRX-7とともに国産車での採用する車種は無くなった。
そこで、今回はスポーツカーのアイコンであったリトラクタブルヘッドライトを採用した国産中古車4モデルの最新相場を紹介していきたい。