現在のミニバンブームのきっかけとなったのが、1994年に登場した初代ホンダオデッセイだ。
商用車をベースとしたキャブオーバタイプの1BOX車が主流だった時代に、乗用車アコードのFFプラットフォームを流用し、乗用車に匹敵する走行性能と乗り心地を実現することで大ヒットモデルとなった。
そして2003年に登場した3代目オデッセイは超低床プラットフォームを採用。全高1550mm以下の抑えることで、都市部に多く存在する立体駐車場を利用可能なミドルサイズミニバンとして利便性の高さを誇り、2008年より販売される4代目にもこの優れたパッケージングは引き継がれた。
以下、このオデッセイの現状と、「中古車市場で狙いである」ということの理由と事情を解説していきたい。
文:萩原文博、写真:ホンダ
現行型オデッセイはどんなクルマ?
5代目となる現行型オデッセイは2013年より販売を開始。
従来モデルはヒンジ式のリアドアを採用していたが、現行型オデッセイは上級モデルである「エリシオン」とのモデル統合によりシリーズ初のリアスライドドアを採用したのが特徴だ。
このスライドドアの採用により全高は1685~1715mmとなり、立体駐車場対応ではなくなっただけでなくトヨタアルファード/ヴェルファイア、日産エルグランドといったLLサイズミニバンがライバル車となり、新車販売は苦戦を強いられるようになった。
現行型オデッセイに搭載されているパワートレインはデビュー当初は2.4L直列4気筒エンジンのみだったが、2016年2月に一部改良で、スポーツハイブリッドi-MMDと呼ばれる2Lエンジンを採用したハイブリッド車を追加。
また、2017年11月にマイナーチェンジでは、従来一部グレードに標準装備だったホンダの運転支援システム「ホンダセンシング」の装着全グレードに拡大し、優れた燃費性能そして安全性能を実現した実力派ミニバンと言える。
このような、「実力は高いが人気がいま一歩」という現行型オデッセイのようなクルマこそ、中古車で狙い目となるモデルなのだ。
それは、中古車では人気という要素が価格に反映されるため、本当は高く評価されるべきクルマが、「さまざまな理由でいまはそれほど人気がない」ということで割安な価格になってしまうからだ。
そこで、現行型オデッセイの最新の中古車事情を調べてみた。
オデッセイの中古車市場を調べると
現在、現行型オデッセイの中古車の流通台数は約815台で、緩やかな増加傾向となっている。
中古車の平均走行距離は3ヵ月前が約3.8万kmだったが、今月は約3.6万kmと若干減少。
これは走行距離の少ない高額な中古車が市場に出回ったことを示しており、平均価格は3カ月前の約228万円から約239万円へと上昇しているのだ。
もう少し長いスパンで平均価格の推移を見てみると、2019年1月の時点で約249万円だった平均価格は8月まで値落ちが続き最安値の約228万円となった。
しかし、ちょうど3カ月前の8月を底値にじわじわと値上がりが続き、現在は約239万円まで値を戻している状況なのだ。
過去には戻れないが、現行型オデッセイの中古車は2019年8月が買い時だったのだ。
ちなみに現行型アルファードの中古車の平均価格は3カ月前が約420万で、今月は410万円と車両本体価格が高いこともあり、はるかに高価格となっている。
また、2016年に登場したミニバンの人気モデル、日産セレナは3カ月前も現在も約258万円で、モデルが新しいこともありオデッセイよりも平均価格は高くなっている。
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