【店選びが最も重要】修復歴ありの中古車を買っていい時ダメな時


 クルマを購入しようと思っても、新車はどうしても高額で買うことができないので中古車を選択肢にしている……という人も多いことだろう。

 とはいっても中古車は1台、1台が状態が異なっている。多くのメディアなどで中古車の選び方が紹介されているが、そうした情報のなかで気になるキーワードが「修復歴あり」という言葉だ。

 昔から修復歴ありの中古車は買ってはいけない、という不文律のようなものがあるが、そもそも修復歴とはどの程度の事故をしたクルマを指すのか?

 今でも修復歴ありの中古車は買ってはいけないのか? という点について、諸星陽一氏が考察する。

文:諸星陽一/写真:TOYOTA、HONDA、NISSAN、MITSUBISHI

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『修復歴あり』の基準

ボンネットやバンパーを交換してもサイドメンバー、クロスメンバーなどが無傷の場合は「修復歴あり」とはならない

「修復歴あり」はその名のとおり、修理をした経歴がある中古車物件に表示されるものです。でも、この「修復歴あり」はボディ、それもモノコックとしての機能を持っている部分の修復が行われたものが当てはまります。

 ボンネット付きのノッチバックセダンの場合、フレーム(サイドメンバー)、クロスメンバー、インサイドパネル、ピラー、ダッシュパネル、ルーフパネル、フロア、トランクフロアがその修復部分に当たります。

SUVやワゴン、コンパクトカーの場合リアゲートを交換しただけなら修復歴ありにならない。ただしボディにダメージがあれば、左右のスキマなどが違ってくる

 これらの部分は溶接などで結合されていることが一般的です。 いっぽうで、(溶接されておらず) ボルトなどで取り付けられている部分が修復されていても「修復歴あり」とはなりません。

  つまり、たとえばボンネットや前後ドア、トランクリッドなどはボルトなどで装着されており、脱着が容易に行えるので、たとえ事故などにより修理や交換をしても、そのクルマは「修復歴あり」とはならない、ということになります。

 フェンダー類は溶接されてることも多いのですが、モノコックを構成する部位ではないので、これらの修理や交換も「修復歴あり」とはなりません。

『修復歴あり』が悪いわけではない

 現代のクルマは複雑なモノコックボディのため、こうした主要な部分が変形するとその影響が多岐にわたることが多くなってきています。

 たとえば、Aピラーが変形するような衝撃を受けた場合、変形はAピラーのみならず、さまざまな部分に影響することがあります。

 このため、Aピラー部分を修復して、見た目がきれいになっていても、じつは変形が残ったままという事態も考えられます。

シビックセダンのボディ構造&フロアの画像。この骨格とも言える部分にダメージを受けて、それを修復した場合には「修復歴あり」となるが見た目ではわからない

 しかし、この逆も言えるのです。最近は少なくなったと言われますが、新車であっても左右のホイールベースが違っていたり、というズレが発生しているクルマもあります。

 また、事故でなくても、走っているうちに負担が掛かり続けることでボディにダメージを与え、ボディが徐々にストレスを受けることもあります。

 たとえばレーシングカーなどの場合は、4つのタイヤが正しい位置にあることがもっとも大切と言われていて、新品のボディであっても3D計測機でモノコックを計測したうえで、3Dフレーム修正機にかけてモノコックを正しい状態にすることがあります。

レーシングマシンはクラッシュして全損状態にならない限り修復する。修復によってリフレッシュされるケースも少なくない

 クラッシュなどでダメージを受けたボディも、同様に修正することがあり、ある程度の期間にわたり使われてストレスを受けた未修正のモノコックよりも、クラッシュ後に修正を施したモノコックのほうが状態がいい場合もあると言われるほどです。

 このようにモノコックを修正すること自体が悪いわけではないのです。大切なのは修正が行われたことではなく、きちんと修正されているか否か? なのです。

 しかし、それを見極めるのはかなり難しいことだと言えます。実際、3D計測機が手元にあり、それでの計測ができれば可能でしょうが、そうでなければ難しいことと言えます。

 もし、修復歴ありのクルマに手を出す場合は、それが信頼できる修復が行われているかどうか? を確認できる場合に限ったほうが安全でしょう。

中古車を購入する時に素人が見てわかるのは、チリや色の違いくらい。ウィンドウのチェックは、同じ番号かを見ることでチェックすることもできる

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