ヘルメットのいらない軽のホンダF1 ホンダビートが欲しい!

ビートの中古車の平均価格は61.3万円

 中古車情報サイト、カーセンサーnetでいろいろと調べてみた。すると2020年6月中旬現在の流通台数は163台で、車両価格は18万~208万円。平均価格は「61.3万円」であるらしい。

 となれば、平均価格である60万円ぐらいの個体を買えばたぶんOKなのだろう……と思ったものの、筆者は輸入中古車の現実にはそこそこ詳しいが、国産中古車、とりわけ「ビートの中古車」に関してはほぼほぼ無知である。

ホンダビートの中古車情報はこちら!

取材に伺ったビート専門店、イソマサオートの磯崎正幸代表。所在地:茨城県水戸市住吉町74-12
取材に伺ったビート専門店、イソマサオートの磯崎正幸代表。所在地:茨城県水戸市住吉町74-12

 そのため、カーセンサーnetにもっとも多くのビートを掲載している茨城県の専門店「イソマサオート」を電撃訪問し、中古ビートのモロモロについて教えてもらおうと試みた。

――すみませ~ん、こんにちは~! ビートって、とりあえず車両価格60万円ぐらいのやつを買っとけばおおむねOKなんですか?

イソマサオート・磯崎正幸代表 (絶句しながら)…………はい?

――あと、古いオープンカーといえば幌の劣化も気になるところですよね。ビートのソフトトップって、交換するのにいくらかかるんですかぁ?

磯崎代表 ……ええと、どうやらビートの現状をまったくおわかりになっていないようなので、イチからご説明しますね。どうぞそこへお座りください。今、お茶出しますんで。

 ぶしつけな訪問者にわざわざお茶を出してくれた磯崎さんが詳しく説明してくれたところによれば、「中古ビートの現状」は今、おおむね以下のとおりであるようだ。

 まず中古車価格。多くのユーザーは、カーセンサーnetの平均価格を見た筆者のように「とりあえず車両価格60万~80万円ぐらい」の線でビートを探し、そのぐらいの価格で実際に購入する。

 だがそういった価格帯の中古ビートは、コンディション良好な個体もごく希に存在はするものの、多くは納車から3カ月以内に「……なんかヘンだな?」という状態に陥り、イソマサオートに点検を依頼しにくるという。

 そしてイソマサオートの工場で細部の状態を確認すると、言ってはなんだがほぼすべての部位がボロボロで、シリンダーヘッドのガスケットも抜けている。

 そこからちゃんと乗れるように直す場合の修理費用総額は、だいたい150万~220万円ぐらいになる場合が多いとのこと。

磯崎代表 なにせ約30年前のクルマですからね。走行距離の多寡にかかわらず、テキトーな整備またはノー整備をずっと続けていると、どうしてもそうなっちゃうんですよ。

――そうなんですか……。

磯崎代表 そうなんですよ。先日もね、どこかのお店で買った人がウチに持ってきたんで見てみましたら、冷却水がほとんど入ってなくて、オーバーヒートを起こしてました。

 その人は買うとき、販売店から「中古のビートは水と油が必ず減りますから、適当に補充しながら乗ってくださいね」みたいなことを言われたそうですが、ちゃんとしたビートなら、そんなことないんですから! 多くの人がビートの“本当の楽しさ”を知らないまま、状態の良くないビートに乗ってらっしゃる。

――じゃあ、結論としていくらぐらいの物件を買えばOKなんですか?

フルオーバーホール済みの保証付きで販売

エンジンやトランスミッションをフルオーバーホールして販売するフルコンプリートパッケージというプランも用意
エンジンやトランスミッションをフルオーバーホールして販売するフルコンプリートパッケージというプランも用意

磯崎代表 いくらぐらいというか、ウチで買っていただければいいんですよ! 当社であれば、整備履歴を把握できている管理ユーザー車のエンジンおよびトランスミッションをフルオーバーホールして、なおかつそこに24カ月または4万kmの保証を付けた「フルコンプリートパッケージ」が、個体にもよりますが総額160万~200万円ぐらいでお買い求めいただけます。

――ほう。オーバーホール済みの「世界遺産」が総額100万円台後半ぐらいなら、決して高くはないですね?

磯崎代表 もう少し手頃なほうがいいという方もいらっしゃるでしょうから、そういった場合には「セミコンプリートパッケージ」がいいと思います。こちらであれば、総額100万~150万円ぐらいお探しいただけます。

イソマサオートの在庫車、1991年式標準車、価格は128万円、走行距離7万1000km
イソマサオートの在庫車、1991年式標準車、価格は128万円、走行距離7万1000km

 その分、エンジンはフルオーバーホールではなく「ガスケット&タイミングベルト交換。必要に応じてヘッドのオーバーホールや面修正などを行う」となり、トランスミッションも「点検整備し、必要に応じてオーバーホールを行う」ということになります。

 そして保証期間もフルコンプリートパッケージと比べれば短くなりますが、それでも「12カ月または1万km」ですので、十分といえば十分でしょう。

――テキトーな販売店で60万~80万円ぐらいのビートを買って、でも結局その後、150万円とかの修理代がかかっちゃうより、最初から御社で総額130万円ぐらいのやつとか、総額170万円ぐらいのやつを買ったほうが断然いいですね。

磯崎代表 でしょ? そうなんですよ!

――でも御社の物件……ホントにそんなにいいんですか? 失礼ですけど「口先だけ」じゃないんですか?

磯崎代表 (ニヤリと笑いながら)ま、論より証拠です。あそこにウチの試乗車がありますので、まずは試乗してみてください。そのうえで、ご判断ください。

次ページは : 38万㎞の試乗車に乗ってみた

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