新型ハリアー登場で相場が動いたか? 盤石の人気を誇るSUVの中古市場はいかに?

3代目ハリアー(旧型)は2013年から6年半にわたり販売

 レクサスRXの日本市場導入によってハリアーは絶版車となる予定だった。しかし、販売現場から強いブランド力のあるハリアーの存続を要望する声が続出。

 その声を受けて2013年に登場した3代目ハリアーはレクサスRXとは切り離され、先代RAV4のコンポーネンツを流用した日本専売モデルとなった。

3代目ハリアーは消滅のピンチを乗り越えて2013年11月から販売開始。デビュー前の7月にデザインを公開し話題になったのは新型と同じ
3代目ハリアーは消滅のピンチを乗り越えて2013年11月から販売開始。デビュー前の7月にデザインを公開し話題になったのは新型と同じ

 搭載されているパワートレインは、最高出力151ps、最大トルク193Nmを発生する2L直列4気筒DOHCエンジン。

 そして最高出力152ps、最大トルク206Nmを発生する2.5L直列4気筒DOHCエンジン+モーターのハイブリッドシステムの2種類でスタート。

 さらに2017年6月のマイナーチェンジの際に最高出力231ps、最大トルク350Nmを発生する2L直列4気筒ターボエンジンを追加した。駆動方式は4WDを中心に2Lエンジン搭載車に2WDを設定している。

2017年6月にマイナーチェンジとともに2Lターボが追加され、ユーザー層の拡大に成功。ターボモデルの中古車は流通量、人気とも上々
2017年6月にマイナーチェンジとともに2Lターボが追加され、ユーザー層の拡大に成功。ターボモデルの中古車は流通量、人気とも上々

 運転支援システムは、デビュー時は一部グレードにプリクラッシュセーフティシステムを装備していたが、2017年のマイナーチェンジで衝突回避支援パッケージ「トヨタセーフティセンスP」を全車に標準装備。

 また、ナビゲーションのディスプレイが9.2インチに拡大するなど安全性、利便性が向上している。それでは、旧型ハリアーの中古車事情を見てみよう。

ハリアーと言えば高級なインテリアというイメージが定着しているが、旧型のインテリアは新型に負けず劣らず質感が高い
ハリアーと言えば高級なインテリアというイメージが定着しているが、旧型のインテリアは新型に負けず劣らず質感が高い

旧型ハリアー(3代目)の中古車情報

新型登場とコロナ禍で割安感が増した

 現在、旧型ハリアーの中古車は約2240台流通している。3カ月前の2020年4月の時点では約2760台流通していたので、徐々に減少しているのは気になるところだ。

 中古車の平均走行距離は3カ月前が約2.9万kmで、今月は約3.1万kmと延びている。

新型ハリアーは2020年4月にプロトタイプのデザインを公開して一気にクルマ界の話題の中心となった。一部モデルはすでに納車まで最大8カ月待ち程度まで長期化
新型ハリアーは2020年4月にプロトタイプのデザインを公開して一気にクルマ界の話題の中心となった。一部モデルはすでに納車まで最大8カ月待ち程度まで長期化

 そして中古車の平均走行距離を見てみると、3カ月前が約260万円で今月は約258万円とほぼ横這いとなっている。

 平均価格の推移をもっと長い1年というスパンで見てみると、1年前の2019年8月時点の平均価格は約271万円。年末までは多少の上げ下げはあるもののその水準をキープしていた。

 しかし年が明けると緩やかに値落ちを開始し、3月から4月にかけて平均価格は20万円近く値落ちしていた。コロナ禍とフルモデルチェンジの影響で旧型のハリアーの中古車相場は一気に割安感が増したということになる。

新型ハリアーは旧型からの正常進化というのがよくわかる。若者から年配まで、幅広い年齢層にマッチするSUVだ
新型ハリアーは旧型からの正常進化というのがよくわかる。若者から年配まで、幅広い年齢層にマッチするSUVだ

旧型ハリアーハイブリッド(2代目)の中古車情報

マイナーチェンジ後のモデルは横這い傾向

 より詳しく見てみると、2017年に行ったマイナーチェンジ前で最も流通台数の多い2015~2017年式の平均価格の推移は、3カ月前の約253万円から約244万円と9万円の値落ち。 

 いっぽうのマイナーチェンジ後で最も多い2017~2019年式は3カ月、今月ともに約293万円で横這いとなっている。

2017年のマイチェン後のモデルは今後も高値安定傾向にある。逆に旧型の初期モデルは買い替えなどでタマ数が増えるので買い得感は出てくる可能性は高い
2017年のマイチェン後のモデルは今後も高値安定傾向にある。逆に旧型の初期モデルは買い替えなどでタマ数が増えるので買い得感は出てくる可能性は高い

 全体的には横這いの動きとなっている旧型ハリアーだが、2017年のマイナーチェンジ前のモデルは値落ちと動きが分かれている。

 さらに旧型ハリアーの中古車の価格帯は、約145万~約520万円と登場から7年が経過しているにも関わらず、100万円以下の中古車は流通していない。

 そのいっぽうで、300万円以上の中古車では現行型では廃止されたターボ車が多く流通しており、今後もターボ車の中古車相場は安定しそうだ。

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