年式による先進安全装備の差を気にするべき
それ以上に気にするべきは「年式による先進安全装備の差」であろう。320i系のいわゆる先進安全装備は、年代に応じて下記の変更を受けている。
●2012年1月~|衝突回避・被害軽減ブレーキシステム(単眼カメラ制御)はオプションで、作動範囲は10km/h~60km/h。システムは衝突被害の軽減のみ。ACC(アクティブ・クルーズ・コントロール)もオプション設定
●2013年8月~|レーダーやカメラなどを使って衝突事故を回避または軽減させる「ドライビングアシスト」が標準装備に
●2014年8月~|ACCが標準装備に
●2015年9月~|新型エンジン、フェイスリフト、内装の変更が行われたマイナーチェンジと同時に、自動ブレーキはミリ波レーダー+単眼カメラでの制御に進化。作動範囲は5~210km/hに拡大。340i追加(326ps/45.9kgmの3L、直6ターボ)
●2016年5月|「レーン・チェンジ・ウォーニング」が標準装備に。320dは新型エンジンに切り替え
●2016年9月|1.5L、直3ターボエンジン(136ps/22.4kgm)の318iセダン&ツーリング追加
中古車の価格というのは1台ごとに千差万別であるため、なかなか一概に「こう」とは言えないのだが、おおむねの傾向としては以下の通り。
●オプションだったACCが付いている前期型は、付いていない前期型より10万円高い
●「ドライビングアシスト」が標準となった2013年8月以降の世代は、ド初期の何もない個体より10万~20万円高い
●ACCが標準となった2014年8月~の世代は、ド初期のACCなしより20万~30万円高い
●2015年8月~の後期型は、ド初期の何も無い個体より30万~40万円高い
というのが、大まかな目安となる(あくまで目安)。筆者個人の感覚としては、2013~2015年式あたりのACC付き320iの走行3万km前後の個体を、総額180万~190万円付近で探すのが、何かと好バランスな選択ではないかと思っている。
320dは同条件のガソリンよりも約10万円高い
一方、流通台数では2Lガソリンターボの320i系に「最多」の座を譲るものの、人気の面ではそれ以上とも思われる320d(2L、直4ディーゼルターボ)系の相場はどうなっているのか?
2012年に追加された当初は「320dブルーパフォーマンス」という車名だったディーゼルターボの先代3シリーズは、2013年8月にドライビングアシストが標準装備化されたタイミングで、シンプルな「320d」という車名に変更されている。
そして中古車相場は当然ながら前期の「ブルーパフォーマンス」より「320d」のほうが約20万円ほど高くなる場合が多いのだが、実際はコンディションや装備の違いが価格に与える影響のほうが強いため、一概には言えない部分である。
またグレード間の価格差も、ガソリンターボの320i系同様に「スポーツ/ラグジュアリー/名なし(ベースグレード)よりMスポーツのほうが20万円ぐらい高い」という基本傾向はあるが、これまた「絶対にそう!」という話でもない。
流通台数を見ると、ディーゼルターボの場合はなぜか「Mスポーツ」の数がもっとも多く、特にブルーパフォーマンスという名称が消えた2013年途中以降の320d Mスポーツの流通量が最多となっている。
その320d Mスポーツのなかから「好バランスな中古車」を選ぶとしたら、2013~2015年式でACC付きとなる3万km前後の物件を、総額190~199万円付近で探すのが正解となりそうだ。
ガソリンターボの同条件車と比べて10万円ほど高いイメージだが、追加予算を投じるだけの価値はある、きわめてトルクフルな超快速ツアラーだといえるだろう。
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