Y31型グランツーリスモSVの中古車は何台流通している?
まずはY31型セドリックのグランツーリスモ。これは流通量がきわめて少なく、2020年7月末現在、中古車情報サイト「カーセンサーnet」には全国で3台の掲載しかない。
価格は、走行約10万kmの1989年式グランツーリスモSVの車両本体価格が55万円というなかなかの安値で売られているが、ほかの2台はいずれも150万円前後。
こちらは走行距離5万km台という低走行物件で、なおかつ希少なフルノーマル系ということで、けっこうなプレミアムが付いているようだ。
とはいえ「しょせん150万円」という言い方もできるわけで、これに諸費用と納車整備費用を足しても総額200万円弱でイケるはず。
決して安くはないが、「貴重な文化財を入手するための費用」と考えるならば、法外に高いわけでもない。
この世代のセドリックグランツーリスモに特別な思い入れがある中高年であれば、買ってみる価値はあるだろう。
もう一方のY31型グロリアはどうなっているかというと、こちらのグランツーリスモ系の流通台数は、同じくカーセンサーnetによれば全国で6台。
「セドリックの倍!」ということもできるが、「セドリック同様に少ない」ということもできる数字だ。
中古車相場もセドリックと似ていて、多走行の底値物件がだいたい車両本体価格50万円ほどであり、低走行のフルノーマル系ワンオーナー車は150万円ぐらい。
その間に、走行5万kmから8万kmぐらいまでの物件が車両本体価格が100万円ほどで販売されているというのが現状だ。
車両本体価格が50万円ほどの底値物件は程度が心配なのでスルーするとして、それ以外の物件を購入するとなると、諸費用および納車整備費用と合わせて「乗り出し130万円から180万円ぐらい」というのが、Y31型グロリアのグランツーリスモ系を買う場合の予算目安となるだろう。
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Y32型グランツーリスモはどうか?
Y31型はさすがにちょっと古いため流通台数が少ないわけだが、後継であるY32型(1991年6月~1995年6月)セドリック/グロリアのグランツーリスモ系ならばもっと流通台数が多く、探しやすいのではないだろうか?
クラシカルな趣きという面ではY31型に軍配が上がると思うが、Y32型のグランツーリスモ系も、あれはあれで悪くない。
重厚な3ナンバーサイズのハードトップボディと、丸目4灯のヘッドランプが織りなす世界観は、もはや「ネオクラシック」とも呼べる味わいが発生しはじめている。
……だが実際はそうでもないようだ。
流通台数はY32型セドリックのグランツーリスモ系が全国8台で、Y32型グロリアのそれが3台と、Y31型グランツーリスモ系の流通状況とさほど大きな違いはない。
違うのは「中古車価格」だ。
Y32系の場合、ごく希に120万円ほどの車両本体価格が付けられている物件もあるが、大半は「車両本体価格50万円以下」という激安車扱い。
それも、走行5万kmぐらいの、Y31型グランツーリスモ系であれば100万円は下らないだろうと思われる条件の物件でも、車両本体価格が60万円ほどのプライスしか付いていないのだ。
これはクルマの出来云々ではなく「たたずまいの差」なのだろう。
明らかにクラシカルなカッコ良さが噴出しているY31型は、クラシカルゆえに「欲しい!」と考える人が多く、そのために相場が上昇する。
しかし「中途半端に最近っぽいデザイン」と言えなくもないY32型は、「わざわざそれを買いたい」と考える人の数がさほど多くはないため、どうしても相場は安めとなる……ということだ。
この「Y32現象」をどう考えるかは微妙なところだ。「安く買える!」と喜ぶべきなのか、それとも「まぁやっぱり魅力に欠けるんですね……」と判断するのか。
このあたりは個人の価値観や好みによって決めるしかない問題だが、Y32型グランツーリスモ系のあのデザインとたたずまいに、何らかの思い入れや思い出がある人にとっては歓迎すべき、Y32型の中古車相場動向といえるのかもしれない。
今後、(特にY31型の)セド・グロ・グランツーリスモ系が、トヨタチェイサー ツアラーVの相場のように高騰するかどうかはわからない。
というか、そこまで高騰しない可能性のほうが高いとは思うが、「ちょっと古い名車」の人気は高まる一方なのが現在の世界的トレンドではある。
もしもY31型グランツーリスモ系のセド・グロにご興味がある中高年各位がいらっしゃったならば、その購入アクションは「なるべく早め」のほうがいいだろうと確実に思う次第だ。
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